転換制度 by 自称Cプランナー(3)

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生命保険■独断解説

転換制度 by 自称Cプランナー(3)

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A.転換制度とは


生命保険の「転換制度」とは単純には生命保険の下取りをすることです。

加入している保険の解約返戻金を利用して新しい保険の頭金にします。

具体例で見てみます。満期金100万円の養老保険に加入していた方が保険金額100万円の終身保険の方が良いと考えた場合、解約返戻金が転換の時点で30万円あった場合に転換を利用しない場合と新規加入と比べると

 

解約返戻金

年間保険料

保険金額(終身保険)

転換制度利用

30万円

5万円

100万円

新規加入

0円

10万円

100万円


保障が100万円あれば良いという方にとって、新たに加入した場合に年間10万円で加入するより、5万円の負担ですみます。

転換制度自体は多くの保険会社ができます。
「予定利率」が変わらない場合は良い仕組みです。

注意するのは予定利率が高いものから低いものに変わる場合です。
「予定利率」というものから簡単に説明しておきます。

B.予定利率とは


予定利率の説明の前に似ているもので、銀行預金の利率で説明します。
1年定期預金(税金は除く)100万円を預けた場合

利率

1年後

1%

101万円

5%

105万円



この場合、わざわざ1%の定期預金を選ぶ人は通常いないでしょう。

次に保険の「予定利率」について一言で書くと、保険の「割引の率」ということです。

具体的な例として、一時払いの養老保険1年(注意:実際にはありえません)満期100万円とすると


予定利率

支払い保険料(保険料はあくまでも例です。)

1%

98万円

5%

94万円


予定利率は年当りの利率ですから終身保険のように長期間で貯蓄性の保険は4%の差があった場合は保険料の差はさらに大きくなります。

100万円を50年間複利の定期預金にした場合4%の差が大きいのは理解できると思います。
ここで、「理解できるような説明があれば」1%の予定利率をわざわざ選ぶ方は通常いないでしょう。

条件が同じなら1%の割引より5%の割引が良いに決まっています。

C.保険業法では「転換」の取り扱いはどうなっているか


保険業法は平成12年2月より改正されていますので、確認してみます。
(以下は公開されたものです。)

生命保険会社では、契約転換制度を利用して新しい契約を募集する際には、次のような項目を記載した書面を交付し説明を行ったうえで、契約者から書面を受領した旨の確認(例えば受領印等)をいただくことになりました。(平成11年10月保険業法施行規則改正、平成12年2月より適用)

(1)転換前および転換後の保険契約に関し次の重要な事項について対比し記載したもの 
 
 イ)基本となる保険金の名称と金額
 ロ)個別の特約名と特約保険金額
 ハ)保険期間および保険料払込期間
 ニ)保険料(主契約、特約別)およびその払込方法
 ホ)配当方式
 
(2)契約転換制度により保険料計算に用いる予定利率が引き下げられる場合があり、予定利率が引き下げられた場合、保険種類によっては、保険料が引き上げとなる場合があること 
 
(3)契約転換制度以外に、現在の契約を継続したまま保障の内容を見直す方法がある事実およびその方法(定期保険特約等の中途付加、他の保険の追加契約など)  


D.損をする場合


ここで重要なのは(2)の予定利率の説明と(3)の転換以外の見直しの方法の説明を理解できるよう説明されているかどうかです。

予定利率について説明されていて、予定利率の高い保険は残し、「他保険の追加契約」などの説明があれば、何も問題はありません。

けれども、上記の「保険業法」に従った説明をされていれば、貯蓄性のある終身保険や養老保険で「予定利率」が下がる場合の契約者のメリットを私は考えられません。

保険も商品ですから、割引率5%のもので契約していたものを1%にすることは損としか考えられません。「他保険の追加契約」をすることにより、新しい保障を買う方法の説明もしているはずです。

したがって、私なら文書に受領印を押して「転換」することは無いでしょう。
仮に、文書に受領印があったとしても、十分理解できる説明があったという証拠となるかは疑問です。

「転換制度」自体は良くも悪くもありません。「予定利率」が同じ場合は有効な制度です。「予定利率」が下がることを理解しないで「契約」すると損をする場合が多くなります。
具体的な「転換」以外の方法は次の記事に書きます。

2006年9月


by 自称Cプランナー(金森徹也)北海道苫小牧市











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