生命保険を面積で考えるU 〜男35歳、1日1万円の入院保障の保険料負担は?〜 生命保険を面積で考える第2弾は医療保険を取り上げてみます。 今回は前回と異なり、なるべく保障条件を合わせて保険料負担の違いを面積で表してみました。
内容は至極単純で、保険料負担の80歳までの総額を計算しただけです。 何歳まで生きるか・・・何歳まで医療保険が必要か、など誰にもわかりませんので、日本人の平均寿命といわれる80歳まで生存・継続した場合で試算しました。
35歳 男性 1日1万円の終身医療保険の比較(60日型) | 保険会社 商品名
| オリックス CURE
| アリコ すこしであんしん
| 損保ジャパン Dr.ジャパン
| ソニー 総合医療
| アフラック EVER(HALF)
| 60歳払済 支払総額
| 5,750 1,725,000
| 6,510 1,953,000
| 7,210 2,163,000
| 7,520 2,256,000
| × | 終身払 80歳支払総額
| 4,000 2,160,000
| 4,350 2,349,000
| 4,250 2,295,000
| 4,290 2,300,400
| 3,990 2,154,600
| 60歳半額 80歳支払総額
| × | × | × | × | 4,340 1,822,800
| 主な特徴 | 7大疾病で1入院120日 | 5大疾病で1入院180日 | 予定利率連動で保険料ダウン | 60歳払済には100万円の死亡保障とCV※あり
| ケガの入院は90歳まで保障 | ※CV・・・解約返戻金 |
35歳 男性 1日1万円の10年更新医療特約の保険料推移(60日型) | | 35歳〜 | 45歳〜 | 55歳〜 | 65歳〜 | 75歳〜80歳 | 月保険料 | 2,560 | 3,300 | 4,900 | 8,460 | 12,700 | 10年間支払総額 | 307,200 | 396,000 | 588,000 | 1,015,200 | 762,000 | 累計保険料 | 307,200 | 703,200 | 1,291,200 | 2,306,400 | 3,068,400 | ※特約の医療保険の場合、ほとんどが80歳保障打ち切り ※更新型の単品医療保険の場合、この表より保険料が多少高くなり90歳まで更新可能 ※75歳までの総支払額は2,306,400円となり上記終身払いの80歳までの総額とほぼ同じとなる
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終身医療では、話題となったオリックスの「CURE」がアリコの「すこしであんしん」を抜き60歳払い済みの保険料安さのトップとなりました。
所定の7大疾病で120日と、同じく5大疾病で180日という違いはありますが、手術給付金が一律「CURE」が20万円、「すこしであんしん」が10万円ということも加味すると、「CURE」に分があると思います。
また、ソニーの60歳払済みタイプは100万円の戻り(死亡または解約)があるので、実質的な保険料負担は125万6千円(225万6千円−100万円)となり、一番リーズナブルという考え方もあります。
それでは、上記表を面積で表す図にしてみます。
ピックアップしたのは、60歳払済みは「CURE」、終身払いは「EVER」で、保険料負担が一番軽いものを選びました。
終身型と更新型の保険料を80歳までで比べた場合、終身型の保険料負担総額が200万円前後に対して、更新型は300万円程度となり、約100万円も保険会社に多く支払い、更に片や保障はその後一生涯継続可能なのに対して、もう一方は80歳で保障が打ち切られてしまいます。
この図を見て改めて分ることは、65歳以降の保険料負担が異様にアップすることです。
大抵の人は65歳以降の収入は現役時代より減るわけですが、65歳以降の保険料負担がこんなに重ければ継続するのも難しいと思います。
誠に残念ですが、前回の「生命保険を面積で考えるT」と同じく、一番不利である10年更新型に日本人の7割ぐらいの方が加入されており、その事実に気付いていないのが現状です。
「とりあえず10年更新のものに加入して、10年経てば今よりいい保険が出るから、その時見直せばいい」という極めて無責任な発言をされる保険募集人の方が少なからずいらっしゃいますが、これらの事実を理解しているのでしょうか?
その10年の間に健康を害してまった場合、保険料がとてつもなく上がり続ける更新型を継続するしかなく、保険会社によっては更新ができないこともあります。(告知が必要な場合あり)
目先の保険料の高い安いだけで、保険を選ぶことは危険であると言えます。 また、同じ理由で生命保険を勧めること、販売することは罪悪です。
2007年1月
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