AAA(あの・アカラックスの・アクチュアリー の)本音のアドバイス
200408 責任準備金の計算の前提となる考え方
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AAA−本音のアドバイス…目次
さて、前回は責任準備金を計算する際、その前提となる考え方、即ち実際の死亡率・資産運用利回り・事業費率は保険料を計AAA−本音のアドバイス…目次
算する際使ったものと違っているのがわかっていても、将来に向けて責任準備金を計算するときにはその違いを考慮せず(その違いはあくまで過去に関することであって、将来に関してはあくまで最初の仮定と同じだと考えて)、最初の予定通りの死亡率・利率・事業費率を使う、ということを説明しました。
このように考えると、最初1万人いた被保険者が2年経った今、9,800人になっているはずだったにもかかわらず、実際は9,850人生き残っていた場合には、その9,850人に対する責任準備金は当初予定通りの9,800人に対する責任準備金の9850/9800倍、ということになります。
ここまでくると、毎年の責任準備金の計算は割合簡単になります。当初予定していた通りに死亡が起こり、利息が稼げ、費用が発生するとした場合の毎年の年末における収支残を計算し、それをその当初予定したとおりの年末の被保険者数で割る。これを一人あたりの各年末の責任準備金率とする。
あとはこの責任準備金率に年末に実際に生き残っている被保険者数を掛けることで、実際に年末の責任準備金が計算できることになります。
もちろんこれは、実際の年々の収支残を積み上げていった結果とは異なります。この違いを明確にするために、前者の将来に向かって計算した責任準備金率を使って計算したものを(狭義の)責任準備金といったり、将来法の責任準備金といったりします。これに対して後者の実際の収支残の積み上げによるものを積立金といったり、過去法の責任準備金といったりします。
言葉の使い方としては、積立金vs責任準備金、過去法の責任準備金vs将来法の責任準備金、という使い方になります。
(将来法の)責任準備金の計算の前提、即ち過去の経験がどうであろうと、将来に向かっては死亡率・利率・事業費率は当初仮定したとおりだという前提にのっとると、将来に向けて保険の保障を確保するためには(将来法の)責任準備金があればそれで十分だ、ということになります。
過去法の責任準備金、あるいは積立金がこの将来法の責任準備金より多い場合には、それだけお金が余っているということですから、それは皆で山分けしてしまってもいい、即ち利益だということになります。逆に積立金のほうが責任準備金より少ない場合には、その少ない分だけお金が足りない、即ち赤字だということになります。
利益を直ぐに皆で山分けしてしまうか、もう少し様子を見るために山分けしないでとっておくか、山分けするにしても、誰にどんな割合で山分けするかというのはこれまた別の大きなテーマになります。また赤字になったとき、その穴埋めを誰がどのように負担するかというのも、別の大きなテーマです。
利益のときと赤字のときの考え方は原因としては責任準備金と積立金が一致しない、差があるということですが、その差がプラスなのかマイナスなのかということでその処理方法もまったく別に考えられます。もちろんプラスであれマイナスであれ同じように考えることもできるわけですが、そのような考え方はあまり評判が良くないようです。
一般の契約者はプラスの時は、それは自分達のものだから配当で返せ。マイナスの時は保険会社が責任を持って穴埋めしろと言いたい所ですが、保険会社もプラスになったのは会社の努力もあるから会社にも分け前を貰いたい。マイナスの時は計算間違いだから保険料を引上げるということになります。
それはとにかく「積立金」と「責任準備金」と似たような言葉ですが、違った見方・考え方によるものだと理解して下さい。
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