1年定期で通院のみの保障が可能な医療保険!
現在販売されている医療保険は、通院の保障は入院とセットになっていて、入院しなければ通院単独で保障されないのがほとんどです。
しかし損保系で、通院だけでも保障するという医療保険がありました。(ケガと三大疾病だけ)日本興亜損保の医療補償保険「MEDICO」(メディコ)という医療保険です。
最近の医療保険は、入院日数の保障を短期に設定しています。確かに、厚生労働省の「平成17年患者調査」によると、すべての病気の平均入院日数は35.7日と比較的短期になっていますが、同調査で年齢階級別に年次推移をみますと、すべての年齢階級で入院は減少していますが、外来は増加しているとの結果が出ています。
生活習慣病の治療は長引くなどと言われていますが、短期入院になる傾向だと通院日数が増えてくることも考えられますので、これからは通院の保障が大事になってくるのではないかと思います。 あと、「MEDICO」は保険期間が1年となっていて、保険料が男女同一、年齢区分ごとというユニークな設定となっています。
今回は、通院は保障されませんが、保険期間が終身である同じ日本興亜損保の長期医療保険「終身MEDICO」(しゅうしんメディコ)の補償内容と支払う保険料を比較しながら「MEDICO」を検証していきたいと思います。
(1) 「MEDICO」(スタンダードプラン・パーソナルコース)Tタイプと 「終身MEDICO」(基本プラン)の補償内容(30歳女性の場合)
(1) 「MEDICO」(スタンダードプラン・パーソナルコース)Tタイプと 「終身MEDICO」(基本プラン)の補償内容(30歳女性の場合)
| MEDICO | 終身MEDICO | 保険期間 | 1年(最高80歳まで自動更新) | 終身 | 加入年齢 | 満5歳〜満79歳 | 満6歳〜満65歳 | 入院したとき(病気・ケガ) | 日帰り入院可 1入院及び通算1,095日迄 回数制限なし
| 日帰り入院可 1入院120日、通算1,095日迄 回数制限なし
| 傷害入院保険金 疾病入院保険金
| 1日5,000円
| 1日5,000円
| 所定の手術を受けたとき | 入院した場合が条件 日帰り手術は不可 回数制限なし
| 入院の有無関係なし 日帰り手術可 回数制限なし
| 傷害手術保険金 疾病手術保険金
| 5・10・20万円
| 5・10・20万円
| 通院したとき | 入院の有無を問わない 1日目から補償 <傷害の場合> 事故日から180日以内、90日限度 <三大疾病の場合> 通院開始日から180日以内、 45日限度
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| 傷害通院保険金 三大疾病通院保険金
| 1日2,500円
| | その他の補償 高度先進医療費用保険金
| 200万円限度 (実際かかった自己負担金)
| ---- | 保険料(月払) | 2,310円 | 2,400円(終身払) | 備考 | ・告知のみ(医師審査なし) ・自動車・火災(建物) 保険ユーザー保険料割引5%適用 ・天災危険(地震・噴火・津波) の補償付き
| ・出費に備える補償(オプション) 入院一時金5万円(2日以上継続) (保険料626円) 葬儀費用200万円限度の場合 (保険料1,586円)
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2つの医療保険の補償内容を比較してみました。入院日額を、一般的に30歳の女性に必要な5,000円に設定し、1入院日数を、「終身MEDICO」は今後年齢が高くなると入院日数が長くなることを考えて120日に設定しました。
注意していただきたいのは、「MEDICO」の手術の補償は必ず入院を伴う補償内容になっていることです。
それと、通院の補償も病気の場合は三大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)に限定されます。しかしこの3つの病気は、厚生労働省の「平成17年患者調査」の外来受給率(人口10万人対)でも、新生物(ガン)が160、心疾患112、脳血管疾患96と比較的高い数値を出しています。
ただ「MEDICO」の場合、病気によっては補償内容が合わないかも知れませんので契約前によく検討する必要があります。
あと、2つの医療保険ともに損保系らしい商品内容になっていると思いました。「MEDICO」は天災危険を補償、「終身MEDICO」は特約で葬儀費用が担保できます。
それから「MEDICO」は、同じく日本興亜損保の自動車・火災保険に入っている方の保険料が5%割引になります。1社に保険をまとめて契約したいという方にはお得な特典だと思います。ただ、それ以外の方は逆に損だという意識をお持ちになるかも知れません。
次に、保険期間1年で年齢区分別に保険料が設定されている「MEDICO」と、男女同一保険料ですが、一般的な保険期間が終身の「終身MEDICO」の支払保険料をみていきます。
それぞれ補償内容が違いますので完全な比較は難しいですが、何となくでも違いがわかればとよいのではないかと思います。
(2)支払保険料と払込保険料総額 「MEDICO」は、若い方を中心に年齢区分を簡素化しているようです。25歳〜44歳までは10年ごとに区分されています。
まずは、年代別に加入時の支払保険料を比較してみます。
(2)-1 年代別加入時保険料比較((2)のプランで女性の場合)
年代 | MEDICO | 終身MEDICO | 20歳 | 1,770 | 1,935 | 30歳 | 2,310 | 2,400 | 40歳 | 2,450 | 3,010 | 50歳 | 3,630 | 4,065 | 60歳 | 5,530 | 5,735 | 65歳 | 6,930 | 6,910 |
*「MEDICO」の最高契約年齢の65歳も記載。 *「MEDICO」は、男女同一、職業に違いなし。年齢区分により設定。 *「終身MEDICO」は、男女同一で、満年齢ごとに設定。
この表をみてもわかる通り、60代前半までは「MEDICO」の方が保険料は安くなりますが、65歳で区分がかわると「終身MEDICO」の方が若干安くなります。ただ、保険料を区分して大まかに設定しているため、区分ごとにみると年齢の低い方と高い方とで多少保険料の差額に開きがあるようです。
では、1つの区分で保険料を比較してみましょう。
(2)-2 年齢区分ごとの保険料の差額((2)のプランで45歳〜49歳の女性の場合)
年齢区分 | MEDICO | 終身MEDICO | 保険料差額 | 45歳 | 3,050 | 3,485 | ▲ 435 | 46歳 | 3,050 | 3,590 | ▲ 540 | 47歳 | 3,050 | 3,700 | ▲ 650 | 48歳 | 3,050 | 3,815 | ▲ 765 | 49歳 | 3,050 | 3,935 | ▲ 885 |
例えば45歳〜49歳の年齢区分だと、45歳と49歳では「終身MEDICO」との保険料の差額に450円の開きがあります。全体的には保険料は安めになっていますが、すべての年齢においては、同じ条件でないということを知っておく必要がありそうです。 次に、最終的な払込保険料総額をみていきます。
(2)-3 支払保険料総額比較((1)のプランで女性が20歳で加入した場合)
| MEDICO | 終身MEDICO | 年齢 | 保険料月額 | 累計 | 保険料月額 | 累計 | 20〜24歳 | 1,770 | 106,200 | 1,935 | 116,100 | 25〜34歳 | 2,310 | 383,400 | 1,935 | 348,300 | 35〜44歳 | 2,450 | 677,400 | 1,935 | 580,500 | 45〜49歳 | 3,050 | 860,400 | 1,935 | 696,600 | 50〜54歳 | 3,630 | 1,078,200 | 1,935 | 812,700 | 55〜59歳 | 4,420 | 1,343,400 | 1,935 | 928,800 | 60〜64歳 | 5,530 | 1,675,200 | 1,935 | 1,044,900 |
*年齢は、「MEDICO」設定の年齢区分による。 *25歳〜44歳までが10歳毎に、あとは5歳毎に設定。 *計算は、「終身MEDICO」の最高契約年齢以内とする。
この表では、「MEDICO」が「終身MEDICO」より払込保険料総額が少ないのは20代前半だけで、25歳からは「終身MEDICO」の方が少ないという結果が出ています。「MEDICO」の方が、補償が多いというのもありますが、最終的には終身MEDICO」の方が、払込保険料総額が少なくなってくるのではないかと思われます。
(3)「MEDICO」にはどういう方が適しているのか考えてみましょう。
「MEDICO」の良いところは、通院の単独保障が可能なこと、年齢区分ごとで保険料が安いこと、保険料の割引の特典があることだと思います。しかし、これらが自分に必要なものなのかよく考えてみることが大切です。
あと、「MEDICO」は、保険期間1年となっていますが80歳まで自動更新されるし、保険料が5年、10年の年齢区分で設定されているので、いわゆる5年、10年の定期型の医療保険と同じようなもの。ただ保険期間はあくまで1年なので、一時的に医療の保障を厚くするとか、見直しまでの間の医療保険にするなどの使い方をすると便利かも知れません。
なので、これから長期間加入していくのではなく、特典を活かしながら短期間だけ加入したいと思う方にはよいのではないでしょうか。上手に利用すると利用価値の大きい医療保険だと思います。
2007年2月
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