クーリング・オフ改正と銀行窓販保険 by 柳澤美由紀(10)
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クーリング・オフ改正で、銀行窓販保険もおおむね対象にクーリング・オフとは、消費者の購入意思が不安定なままに契約してしまった場合に、申し込みまたは契約締結後の一定期間内(原則8日)であれば消費者が無条件で申し込みの撤回・解除が行える制度です。訪問販売による商品やエステ、英会話教室などの利用権などの契約を、営業所などの店舗以外で結んだ場合に使うことができます。
生命保険では保険業法第309条(保険契約の申し込みの撤回等)により、クーリング・オフ制度が利用できるようになっています。保険に加入する際に渡される「重要事項説明(または注意喚起情報)」という書面には、第1回目の保険料を払い込んだ日(第1回保険料充当金領収書の交付日)か、申込書を提出した日(申込日)のうちいずれか遅い日(※)を含めて8日以内(保険会社によってはもっと長く設定しているところもあります)に申し出れば、保険契約の撤回(クーリング・オフ)ができると明記されています。
クーリング・オフの請求をする際は所定のフォームなどにしたがって、郵送で手続きを行わなければいけませんが、理由を問われることはありません。正式に受理されれば、既に払い込んだ保険料は全額返金されるようになっています。
※保険契約の申込みの撤回等(クーリング・オフ)に関する事項を記載した書面を交付された場合はその交付日と申込日のいずれか遅い日
しかし、どんな生命保険でもクーリング・オフが使えるわけではありません。保険業法施行令(第45条)などによって、クーリング・オフが使えない(保険契約の申し込みの撤回ができない)場合が定められているからです。
以前の保険業法では、銀行窓口で契約した保険はクーリング・オフの対象になっていませんでした。保険側からみると、銀行は保険代理店の1つにすぎません。保険代理店に出向いて保険契約を結んだ場合、クーリング・オフの対象から外れるため、銀行窓販は対象外になっていたのです。
しかし、これによるトラブルが続出したため、2007年6月13日に保険業法の一部を改正。銀行などで契約した保険に関しても、ごく一部を除いてクーリング・オフ(=cooling off=頭を冷やしてよく考え直す期間)の対象になりました。
改正点1 代理店の事務所や銀行の窓口で契約しても、事前通知がない限り対象に
クーリング・オフは訪問販売によるトラブルに対応するために設けられたものなので、家や勤務先などに突然押しかけられて保険契約してしまった・・・・・・などの状況を想定して作られていました。なので、保険会社の営業所や代理店の事務所などで申し込みをした場合、『契約の意思がある人』とみなされ、対象から外されていたのです。
しかし、銀行の窓口による保険販売がスタートしたことにより、状況が一転。高齢者である預金者が定期預金の満期がきたので手続きを行いにきたら変額保険を勧められ、よくわからないまま契約してしまった・・・・・・などのケースが続出。その家族が後で気づいてクーリング・オフを請求しても、対応してもらえなかったという相談が増えたことが、今回の改正のきっかけとなりました(国民生活センターの消費生活相談データベースによると、生命保険の契約・解約にまつわる2006年度の相談は、2004年度の6235件の約2倍に相当する1万1175件に増加しています)。
今回の改正で、銀行などの代理店で契約した場合でも、その場で保険の申し込みをするということを事前に申込者本人に通知していなければ、クーリング・オフの対象とすることになりました。言った、言わないが問題になりそうな文言ですが、立証責任は保険会社や銀行などの保険を販売する側にあるので、書面などによる通知がないかぎり、クーリング・オフの対象になると考えて差し支えないでしょう。
また、保険の申し込みをしたからと自ら場所を指定して、保険募集人(営業担当者)などを自宅に呼び寄せたり、保険会社や代理店の営業所などに出向いて契約をしたりした場合でも、クーリング・オフの対象となることになりました(ただし、喫茶店など、営業所等や申込者が居住している場所じゃないところはこれまでどおり対象外です)。
改正点2 保険料を振り込んだ場合でも一部対象に(銀行で契約したら、その銀行で振り込もう!)
クーリング・オフの適用除外項目として、改正前の保険業法施行規則(第241条)にこのような文言がありました。
【第241条】(保険契約の申し込みの撤回等ができない場合) 施行令第45条第3号に規定する内閣府令で定める方法は、次に挙げる方法とする。
- 郵便を利用する方法
- ファクシミリ装置その他これに準ずる通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法
- 預金又は貯金の口座に対する払い込みによる方法
- 保険会社等又は外国保険会社等(免許特定法人の引受社員を含む)が設置した機器を利用する方法
この「3」項に注目してください。「預金又は貯金の口座に対する払い込みによる方法」と明記されています。つまり、保険会社の口座に保険料を振り込んだ場合はクーリング・オフできないということになっていたのです。
しかし、今回の改正でこの文言が削除され、代わりに保険業法施行令に新項目(第45条1項4号)を加えることによって、保険料の振込みをした場合でも一部対象になることになりました。保険契約の相手方である保険業者または保険募集をおこなった保険業者に依頼した場合はクーリング・オフが使えるようになったのです。まどろっこしい言い方をしてしまいますが、つまりはこういうことです。
A銀行で保険契約をして、A銀行の本・支店またはATMで保険料を振り込んだ場合は、クーリング・オフの対象としてみとめます。
しかし、A銀行で保険契約をしたのに、振り込んだ場所が第三者であるB銀行の本・支店(ATM含む)で振り込んだ場合はOUT!(対象外)ですからご注意を。
違いをつけた理由は銀行などに配慮したとしか考えられないのですが(苦笑い)、なぜかこのような制度改正になっています。銀行で保険に入ったら、その銀行を経由して保険料を振り込んだほうが得策ということでしょう。
改正点3 変額年金、外貨建て年金などリスク性の保険はクーリング・オフできなくても特定早期解約の対象になる
保険業法を改正することにより、クーリング・オフの対象範囲は広がりましたが、それでも適用除外となるものはあります。そこで今回の改正では、保険業法施行令第45条第1号〜第4号に該当するために適用除外となった保険でも、変額保険や外貨建て保険などのリスク性資産により保険料が運用される保険商品に関しては、「特定早期解約」を行うことができるようになりました。
特定早期解約とは、保険契約の成立の日またはこれに近接する日から起算して10日以上の一定の日数(保険会社が設定)を経過するまでの間にかぎり、解約により保険契約者に払い戻される返戻金の計算に際して、契約者価額から控除する金額を0円とし、および当該保険契約にかかる費用として保険料から控除した金額の全額を契約者価額に加算するというもの。
クーリング・オフは所定の日数(原則8日)以内に申し込みの撤回の手続きをすれば、払い込んだ保険料全額が戻ってくるしくみですが、特定早期解約の場合は、契約者価額となっています。たとえば、変額年金の場合、保険料を払い込むとその保険料は特別勘定で運用されることになりますよね。その運用によって増減した保険料の金額のことを「契約者価額」といいます。いわゆる時価です。通常、早期(一定期間内)に解約すれば解約手数料がとられますが、それは0円(無料)にして、販売(契約)手数料などの費用として保険料から控除されていた分に関しては、契約者価額に加算されて支払われることになります。
2007年7月
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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