保険は必要か その1 by 自称Cプランナー(28)

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生命保険■独断解説

保険は必要か その1 by 自称Cプランナー(28)

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保険は必要か その1



A.最初に


私の立場を最初に説明しておきます。
私はファイナンシャルプランナーとしても活動しておりますが、同時に損害保険、生命保険の販売もしております。
保険を販売していながら、いまさら何を言い出すかといわれるかもしれませんが、損害保険、生命保険を合わせる、かなりの種類の保険があります。
個人向けのものだけでも(第三分野といわれるものは両方で取り扱っている場合があります)

人の体と生死にかかわる保険


生命保険会社が扱う保険
  • 生命保険(ここでは死亡保障の保険とします)
  • 医療保険
  • がん保険
損害保険会社が扱う保険
  • 傷害保険
  • 介護費用保険
  • 所得補償保険

人の体と生死に直接かかわらない保険
  • 火災保険(地震保険を含む)
  • 自動車保険
  • 賠償保険(特約として付加される場合が多い)


主なものだけでこれだけあります。

B. お金があれば保険はいらない


結論を先に書いてしまえば、「お金」があれば保険は不要なわけです。個人ではあまりいないでしょうが、大企業の場合年間何十億円の火災保険や自動車保険を支払わないで、「自家保険」にしている企業もあります。

その理屈を「保険の仕組み」から説明していきたいと思います。

なお、タイトルには「保険は必要か」というタイトルにしてありますが、厳密に書けば必要なのは「保障」であってそれを具体化した商品が「保険」となります。

C.保険の原則


保険の原則もいろいろありますが、今回、必要と考えるのは、次の二つの原則です。
  1. 大数の法則
  2. 収支相当の原則
大数の法則とは統計学の用語ですが、ある試行を数多く繰り返せば確率は一定値に近づくということです。
サイコロを例にすると、振る回数が少ない時はかたよりがちですが、数多く振ればどの目も限りなく6分の1に近づくということです。

収支相当の原則というのは同一のリスクから集めた保険料と支払いの保険料は同じということです。具体的には保険料として100万円集めた場合、支払われる保険料も100万円になるということです。「純保険料」といわれる部分です。

この二つを組み合わせると、例えば30歳の男性が1年間にがんになる確率が1万分の1だとします。年間の保険料が100円だとします。

1万人の人が加入した場合、保険会社に入ってくるお金は100万円です。

一方、受け取る人は一人ですから、がんの診断給付金が100万円となります。

この場合、一人が100万円を受け取ることになります。残り9999人は受け取れませんが、1年間の保障を買っています。

現実的には、保険会社の経費、保険会社の利益、販売する人の手数料などがあります。

例えば、介護状態になる確率というのが一生の間に2分の一とします。介護状態になったら支払いは一律10万円という保険があったとします。一人当たり10万円支払う為に、「純粋な保険料以外の経費」が10万円かかるとします。

加入者が10人とした場合、必要なお金は
10万円×10人×1/2=50万円(純粋な保険の支払い)
10万円×10人×1/2=50万円となります。
そうなると全員から集める保険料は合計100万円必要になります。
10人ですから10で割ると一人あたりの保険料は10万円となります。

D.必要性の高い保障と必要の低い保障


本題と入ります。

実際の例では入院して一律の金額というのはほとんどありません。一部の共済・自動車などでは「見舞金」としての可能性はありえます。

「がん」と「介護」を例にしましたが、「30歳」と「一生」と条件も違いますから、単純に比較はできません。
例にした「元々の確率」も分かりやすくするための例です。

「介護」の例では、10万円支払って10万円しか受け取れないのでは、貯蓄で対応するという方もでてくると思います。

「介護」も実際には10万円で済むことは少ないでしょう。

「医療保険」も、もう少し複雑ですが、元を取ることは少ない保険です。

死亡保障などは特に働き盛りには受け取ることがあって欲しくない保険ですが、万一の時は高額な保険金が残された家族の役に立ちます。

最初に書いたように生命保険以外にも保険はたくさんあります。自動車保険に加入しないで自動車を運転する人はほとんどいないでしょう。対人・対物の賠償は1億円を超える場合もあります。世帯主が相手の死亡事故なら賠償金額は簡単に数千万円になります。

リスクマネジメントという管理手法があります。企業に使われる場合が多いですが、個人にあてはめると、簡単に言えば、さまざまなリスク(経済的損失)をできるだけ少なくする方法です。

その中で、一般的には保険は確率は低いが万一の損害が大きい場合に有効とされています。

逆に、発生する確率が高いが損害の小さいものは保険以外の方法が向いているとされています。

経済状況はその家庭ごとに異なります。死亡保障は一般的に若い夫婦のご家庭では残された家族の為に必要とされていますが、不動産収入などがある場合は必要ない場合も考えられます。

つまり、その家庭の経済状況により、必要性の高い保障と必要性の低い保障があるということです。


2008年4月

by 自称Cプランナー(金森徹也) 北海道苫小牧市









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