がん特約(重点)終身医療保険の比較 「がんの保障を厚くしたい」というニーズは根強いものがあります。 死亡原因の約3割を占めることや、治療期間が長く時間がかかるイメージがあるためだと考えられます。
がんの保障を考えた場合、まずがん保険を別途単品で付保するのが理想的ですが、そこまで保険料負担はしたくないが、がんの保障は少しでも厚くしたいというお客様はいらっしゃいます。
終身医療保険でがんの保障を厚くできるものとしては三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)、または生活習慣病をカバーできる特約が付加できるオリックス、アクサ、アリコジャパンなどがありますが、がん以外の疾病も付保するため保険料負担が大きく、がん以外は※60日ルールが適用されるものがほとんど(例外オリックスCURE)なので、お勧めできるものではありません。
※60日ルール:がん以外の心筋梗塞、脳卒中において、60日以上の労働制限や後遺障害が支払い条件となり、罹患しただけではほとんで給付されない。
また、終身医療保険を見渡してがんのみ厚く付保できるものは極めて少ないのが現状です。 おそらく、アフラックをはじめ自社で単品のがん保険を主力商品として抱え、下手に医療保険に付保できるようになると単品のがん保険が売れなくなるからだと推測されます。
●健康のお守り VS SURE 昨年発売された損保ジャパンひまわり生命の「健康のお守り」と既存のソニー損保の「SURE」を比較してみます。
がん保障がはじめから厚い「SURE」に対して、がん保障のみの特約が付保できる「健康のお守り」が対抗馬となります。
終身医療保険 がん特約(重点)タイプ比較 終身払い込み 1入院60日型 日額1万円(がん2万円)
| 月保険料
| 損保ジャパンひまわり 健康のお守り
| ソニー損保 SURE/ベーシック
| 男 性
| 20歳 | 3,010 | 2,500 | 30歳 | 3,780 | 3,400 | 40歳 | 4,950 | 4,700 | 50歳 | 7,080 | 7,000 | 60歳 | 10,240 | 10,100 | | 女 性
| 20歳 | 3,260 | 2,400 | 30歳 | 3,900 | 3,200 | 40歳 | 4,560 | 4,200 | 50歳 | 6,070 | 6,000 | 60歳 | 8,360 | 8,500 | | がん免責 | | なし | 90日 | がん入院 | | がん以外と同じ60日 | 無制限 | 先進医療 | | 上限1000万円 | なし | がん手術給付 | | 10,20,40万円 | 10,20,40万円 | がん以外手術給付 | | 10,20,40万円 | 5,10,20万円 | 通産入院日数 | 1000日 | 1095日 | 健保対象手術 | | 5万円 | なし | 骨髄提供手術 | | なし | 10万円 | オプション | | 女性特約、120日型 | スマート、ワイド | がん保障付加 | | 取り外し可(特約) | 取り外し不可(一体) |
今回の「健康のお守り」で一番画期的なのは、がん保障にてお約束であった「免責90日」がないことです。
初めてがん保険に加入する際はあまり気になりませんが、既存のがん保険加入があり他社に切り替える場合、この90日免責は少々引っかかることがあります。
保険を切り替える場合、既存の保障と新しい保障の空白をつくらないのが基本です。
たとえば、大手国内生保の特約テンコ盛りの保障から切り替える場合、テンコ盛りの中に三大疾病特約が入っているケースが多々あり、他の死亡保障や通常の医療保障はきちんと空白をつくらないのは簡単ですが、同時に90日免責のがん保障の空白をなくすのは不可能で、最低1ヶ月は発生してしまいます。
その場合、その約1ヶ月の間に間違ってもがん検診などしないようにお願いするしかありません。
表を見ていただくとわかると思いますが、トータルで「健康のお守り」の方が、多少保険料が高くなりますが、がんの保障は概ね充実しています。
がん入院が無制限でないこと以外は「SURE」に対してほぼ同じ保障内容で、がん治療において役立つと思われる「先進医療」が付加されています。
がん保険単品とがん特約(重点タイプ)との大きな違いは、診断給付金の有無です。
高額な医療費は、健康保険の範囲内であれば大きな負担をにはなりませんが、保険範囲外である自由診療である「先進医療」の負担は高額な実費となり、そこをカバーできる可能性がある「先進医療」の保障項目は診断給付金の代わりとなるかもしれません。
●その他の比較
扁桃腺除去手術など、従来の医療保険では手術給付の対象外ですが、健康保険の対象である手術に対して入院日額の5倍の給付があります。
「SURE」に付加されている「骨髄提供手術」に対して入院日額の10倍の給付がありますが、確率が極めて低いのでほとんどアドバンテージとならないと思います。
また「SURE」において、がん以外の手術給付金が「健康のお守り」の半額となり、通常の医療保険としても見劣ることは否めません。
がん保障の付加の形態としては「健康のお守り」は特約のため取り外し可能ですが、「SURE」は一体型のため取り外しはできません。
●総合評価
保険料については、男女とも50歳でほぼ互角となりそれ以降は「健康のお守り」の方が安くなり、内容についてはがんの入院日数以外は「健康のお守り」が優位になります。
がん保障以外の保障内容においては、「先進医療」はもとより、大手国内生保が発祥である「従来の手術対象外の健康保険対象の手術給付」が盛り込まれて、がん保障特約を付加しない保険料は、アフラックのEVERとほぼ同じレベルですので、通常の終身医療保険としてもかなり使えると思います。
最後に、アフラックの「EVER」と「健康のお守り」のがん保障を付加しない保険料を掲載しますので参考にして下さい。
終身医療保険 終身払い 入院日額1万円 月保険料(単位:円)
| アフラックEVER | 健康のお守り(男性) | 健康のお守り(女性) | 20歳 | 2,920 | 2,740 | 2,990 | 30歳 | 3,500 | 3,390 | 3,510 | 40歳 | 4,390 | 4,350 | 3,910 | 50歳 | 5,890 | 6,190 | 5,180 | 60歳 | 8,350 | 9,040 | 7,160 |
※EVERの保険料は男女同額
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