勝手に「生命保険検定」 「○○検定」というと何かマニアックで、かなり勉強しないと及第点が取れない、また知っていたところでウンチクとして少々自慢できるが、実生活では大して役立たないイメージがあります。
今回、マニアックであるとか実生活に役立たないということではなく、知っていないと損をする事柄をテスト形式にしてみました。
募集人の方からは簡単過ぎて笑われてしまう内容かもしれませんが、保険に携わっていない一般消費者の皆様には手応えがあると思います。
生命保険の基礎知識でなく、商品の特性や活用を中心に問題をつくってみました。
問 題 1.一般的なライフサイクルに合わせて保障を確保する場合、性別・年齢など同じ条件で比較した際のコスト(保険料総額)が高い順番に並べなさい。
- 10年更新定期保険、
- 収入保障
- 1年更新定期保険、
- 逓減定期保険
ヒント 加入当初の保険料だけで考えないことが最大のポイントです
2.次の終身保険のうち、将来的に懸念されるインフレについて全く対応できないものはどれか。
- 東京海上日動あんしんの「長割り終身」
- あいおい生命の「積立利率変動終身保険(無配当)」
- アフラックの「WAYS」
ヒント 有配当、無配当、積立利率変動の機能の違いがポイントです。
3.「三大疾病(成人病)特約」つきの生命保険に3年前に加入し男性Zさんが心筋梗塞の発作で倒れ緊急入院し、駆けつけたZさんの家族に担当医は「今晩が峠です」と告げられた。Zさんは3週間入院し、その後自宅療養を3週間の合計で約1ヵ月半仕事休んだが、その後職場に復帰し特に後遺症はなく以前のように勤務している。
以上のケースで「三大疾病(成人病)特約」の給付金はどうなるか。
- 給付されない、
- 給付される、
- 特定の保険会社のみ給付される
ヒント 「三大疾病(成人病)特約」の給付条件についての設問ですが 2年ほど前に他社を出し抜く商品を出した保険会社があります。
4.加入していた生命保険の医療保険が60歳で切れてしまい、更新しても80歳までで、保険料も一括で支払う必要があり断念。代替として通信販売の終身医療保険に申し込みをしたが、血圧降下剤を服用しているため謝絶となってしまった。この方が一番スムーズに医療保険に加入できるのは次のうちどれか。
ヒント 各社の引き受け基準を知っているのと知らないとでは雲泥の差があります。 特に血圧降下剤服用については、かなり前から無条件で引き受けてくれる保険会社があります。
5.30年ほど前にアフラックのがん保険に「夫婦方」で加入した第一被保険者(夫)が亡くなった場合、残された第二被保険者(妻)の保障の扱いは次のうちのどれか。
- 保険料は全額免除となり妻の保障が継続できる
- 保険料の一部(妻の保障分)を負担すれば継続できる
- これまでと同じ保険料を負担すれば継続できる
- 第一被保険者が死亡したので保険契約が消滅して継続できない
ヒント このケースは保険会社によってかなり違いがあります。 ここではアフラックの場合の設問ですが、他社では全く異なる答えとなります。
いかがでしたでしょうか? 保険募集人であれば、直接取り扱ってなくても知っていて当然といるレベルの問題であると思います。
また、相対的に取り扱っている保険商品の強み、弱みをわかっていなければコンサルティングはおろか、売り込みさえもできません。
ためしに売り込みに来た保険営業マンに出題してみるもの一興かもしれません。 普通の募集人の方でしたら初級編ですので全問正解すると思います。
答えはここに掲載しませんが、どうしても答え合わせが必要ならばお問い合わせ下さい。 解説付きでお答えいたします。
※2009年7月現在での設問、解答となります。
それでは解答です。
1 A;10年更新定期保険、B;1年更新定期保険、D;逓減定期保険、C;収入保障の順番でコストが高くなります。
10年更新は小まめに保障額を減額すれば1年更新よりコストが抑えられる可能性がありますが、減額するさいの制限が多く保障額をコントロールするのが難しいため、必要保障額に対して「無駄な保障」がついてまわるためコスト高となってしまいます。
2 C;アフラック「WAYS」
「長割り終身」は有配当のため、保険会社の運用がよければ配当の可能性があります。「積立利率変動終身保険(無配当)」は無配当ではありますが、利率変動ですのでインフレになって予定利率が上がった場合には、その数値が反映され解約返戻金と死亡保障に上乗せがある可能性があります。(下がった場合は契約時の数値が最低保障なので削られることはありません。)「WAYS」についてはただの無配当ですので、解約返戻金も死亡保障も変動することがありません。
3 C;特定の保険会社のみ給付される
ほとんどの保険会社の場合、三大疾病(成人病、特定)はこのケースは60日ルールのため給付されませんが、オリックス生命の「CURE」の特約については当該の病気と診断されれば60日以上の労働制限や後遺障害がなくても給付されます。
4 C;ソニー生命
ソニー生命の場合は血圧降下剤を服用していても、他の要因がなければ無条件で付保してくれるケースがほとんどです。(経験値で100%) 高血圧は血液循環についても症状なので部位不担保にはなりませんし、医療保険については保険料の割り増し制度がない保険会社が多いので謝絶になってしまうケースが少なくありません。
5 C;これまでと同じ保険料を負担すれば継続できる
これはアフラックのがん保険のみの対応と考えた方がいいです。アリコは保険料免除で保障継続ですし、他社では保険契約自体がなくなってしまうケースがほとんどです。
奇しくも2〜5の解等はすべてCとなってしまいましたが、特別な意図はありません。
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