一時金給付型女性医療保険の比較 by古川悦子(37)
7489 アイリオ生命
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一時金給付型女性専用医療保険の比較
医療保険の主契約となっている入院保障の給付金は、多くが日額で支払われています。その中、特定の病気に絞って保障する医療保険で、入院保障の給付金を一時金で支払っている商品があります。
今回は、一時金給付型の女性専用医療保険を比較してみました。日額給付型と併せて選択肢として検討してもらえればと思います。取り上げたのは、ＡＢＣ少額短期保険「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ（ベリー・ベリー）」とアイリオ生命「女性疾病保険」の2商品です。
① 保障内容・取扱内容・保険料の比較
＜表①＞
「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」と「女性疾病保険」は、ともに一時金給付型の女性専用医療保険でありながら、それぞれに特徴があり、異なった保障内容をもっています。＜表①＞を参照しながら、まずは2つの商品の仕組みと特徴をおさえてから、保障内容・取扱内容を比較してみましょう。※詳細はご契約のしおり・約款、担当者に確認のこと
仕組み
女性疾病の保障と死亡保障の2つに大別されます。いわゆる特約としての取扱いはなく、主契約（基本保障）となります。
★「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」
＜女性疾病の保障＞女性疾病入院一時給付金、＜死亡保障＞死亡保険金
★「女性疾病保険」
＜女性疾病の保障＞女性疾病支援給付金（入院保障）、女性特定ガン治療給付金（ガン保障）、乳房再建給付金（乳房再建の保障）、＜死亡保障＞死亡保険金
女性特定ガンの場合、女性疾病支援給付金に女性特定ガン治療給付金が、乳房再建手術を受けたときは、さらに乳房再建給付金が上乗せされる仕組みとなっています。
特徴
女性特有の病気に保障対象を限定（所定の女性疾病以外の病気・ケガは対象外）、女性疾病の保障を充実させています。所定の女性疾病で入院したときに、入院日数に関係なく一時金で支払われます。
仕組みがコンパクトにまとまっており、わかりやすい保障内容となっています。あらかじめ支払金額がわかるので、入院前後の様々な費用にも計画的に対応できます。
「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」は、病名により支払金額が決まっています。「女性疾病保険」は、女性特定ガンを手厚く、特に乳ガン（乳房再建手術）の保障を手厚く設計しています。
保障内容
保障対象となる女性疾病を約款で確認しておきましょう。そして、一時金での支払いに関しては、制限事項（通算限度・給付金の支払いができない期間）も支払事由と併せて、ご契約のしおり・約款で確認しておくことが必要です。
ここでは、女性疾病の保障内容について、＜表①＞を補足して説明することにします。
★『女性疾病入院一時給付金』（Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ）
異なる女性疾病を併発した場合、入院の直接の原因となった女性疾病に基づき給付金が支払われます。また、入院の開始日から起算して183日以内は「給付金がお支払いできない期間」となっています。ただし、184日目に被保険者が支払事由に該当する入院をしていた場合は、184日目を入院開始日とみなして給付金が支払われます。
★『女性疾病支援給付金』・『女性特定ガン治療給付金』・『乳房再建給付金』（女性疾病保険）
女性疾病支援給付金は180日に1回、女性特定ガン治療給付金は2年に1回支払われます。ただし、女性疾病支援給付金は、支払事由の該当日から180日を経過した日の翌日に女性疾病を直接の原因として被保険者が入院を継続している場合は、181日目（180日を経過した日の翌日）を入院開始日とみなし、女性特定ガン治療給付金は、支払事由の該当日から2年を経過した日の翌日に女性特定ガンで入院を継続している場合は、2年を経過した日の翌日を入院開始日とみなして給付金が支払われます。
女性特定ガン治療給付金と乳房再建給付金は、責任開始日から90日を経過した日の翌日に保障が開始されます。女性特定ガン治療給付金の1回目の支払事由は、所定の女性特定ガンに罹患し、かつ診断確定されたときです。検査等を90日以内に行った場合は該当しません。
乳房再建給付金は、入院の有無を問わず、健康保険適用外の乳房再建術も保障対象となります。女性疾病と女性特定ガンの保障対象には上皮内ガンも該当します。
＊『女性疾病入院一時給付金』（Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ）、『女性疾病支援給付金』（女性疾病保険）には、女性特定のがんの場合でも待期間（90日）はありません。
取扱内容
＜表①＞を補足すると、「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」は、被保険者1人につき1契約となります。インターネット上で申込み可能です。また、少額短期保険業は契約者保護機構の制度の対象外となっています。ただし、契約者保護を図るため、業務開始時と毎決算時に供託金を法務局に供託することが義務づけられています。
少額短期保険（ミニ保険）とは、平成18年より導入した制度で、一定事業規模の範囲において、少額かつ短期の保険の引受けのみを行う事業者が取扱う保険商品をいいます。保険業法の規定が適用され、金融庁・財務局から検査・監督を受けています。
なお、2つの保険ともに、給付金は入院中でも受取ることができます。
② 保険料の比較＜表②＞
保障の種類が少なくシンプル、保障対象を女性疾病に特化しているため保険料は割安となっています。
「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」の保険料の方が割高になっていますが、死亡保険金額および女性特定ガン以外の女性疾病の保障金額とも照らし合わせてみるべきでしょう。
「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」は年齢区分ごとに保険料が設定されており、例えば、30歳～44歳⇒1,800円に対し、「女性疾病保険」では43歳⇒1,850円、44歳⇒1,890円など若干高くなる場合もあります。
③ 一時金給付型が向いている人
支払事由に該当した時点で支払金額がわかることから、計画的に入院費用などを備えておきたい人に向いています。
今回取り上げた2つの保険は、“女性が罹りやすい病気の保障を簡単に備えておきたい”あるいは“契約中の保険に付け加えることで保障内容を充実させたい”人の声に応えることができるでしょう。「Ｖｅｒｙ Ｂｅｒｒｙ」は女性特有の病気を幅広く、「女性疾病保険」は女性特定ガンの保障をさらに充実させたい女性に適しています。
また、妊娠・出産のトラブルに不安がある女性はもちろんのこと、医療保障の他にお葬式代くらいの死亡保障だけ備えればよい女性（シングルなど）の保障ニーズにも合っていると思います。
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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