注目商品家計保障就業不能(あんしん生命)by杉山明(27)

7613 　東京海上日動あんしん生命

家計保障定期保険就業不能保障プラン(東京海上日動あんしん生命)

この商品の評価ポイント

死亡保障と就業不能保障、介護保障をまとめて、比較的割安な保険料でカバーすることができる

就業不能状態に該当した時以降、保険料支払い免除となる

最低支払保証期間があり、かつ、2 年と5 年の2 通りから選択できる仕組みになっている

この商品の注意を要するポイント

保障を充実させるためのさまざまなオプションが用意されているが、必要に応じて取捨選択しなければ、結果として保険料は高くなる

保険期間と保険料払込期間が異なる

消費者側の注意点

重度5 疾病（悪性新生物（がん）、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全）と介護と二つの分野をまとめて保障している。重度5 疾病で就業不能状態になったとき、または、介護状態になったときに給付金が支払われる

保険商品に対するコメント

商品戦略

東京海上日動あんしん生命は、東京海上グループの保険会社である。同社は、損害保険代理店を中心とした代理店チャネル、LP（ライフパートナー）と呼ばれる直販チャネル、金融機関代理店チャネル、さらに、ホームページを通じたインターネット直販などのチャネルを有している。つまり、販売チャネルに関しては現在考えられるフルラインナップの販売チャネルになっている。

商品についても、「長割り終身」や」「メディカルKit」など特徴のある商品を開発してきた会社である。2012 年10 月に発売された「家計保障定期保険就業不能保障プラン」は、従来から存在する家計保障定期保険（収入保障保険）に新設された就業不能保障プランが付加された設計になっている保険である。家計保障定期保険は保障性の高い商品であり、保険会社の収益性の維持のためには審査が不可欠である。

そのため、通販チャネルでは購入することができない取扱いになっている。金融機関チャネルでは横浜銀行や北國銀行などで取り扱いがあるが、一般的に、銀行は保険料が低く、審査の厳しい保険の取り扱いに慣れていない。ということで、このタイプの保険を取り扱うことができる能力があるのは、プロ代理店や直販社員チャネルということになるであろう。

商品の系譜は、同社の医療保険「メディカルKit」である。この商品に付加できる特約として、2011 年（平成23 年）８月に改良がくわえられ、長期の就業不能に対する新保障「５疾病就業不能特約」が創設された。給付内容は1 回の給付金を支払うシンプルな仕組みであり、所定の期間、給付金が年金タイプで支払われる今回の特約と仕組みは異なるが、5 疾病を対象とする点は同じである。

商品分析

商品分析は、競合すると思われるライフネット生命の「働く人への保険」と比較してみよう。できるだけ同じ条件で比較するということで、ライフネット生命は定期保険（家族への保険）との組み合わせで考えた。

ライフネット生命は保険料の払込期間が全期払（保険期間＝保険料払込期間）、東京海上日動あんしん生命は短期払（保険期間＞保険料払込期間）であるため単純比較はできないので、保険料払込期間中すべて保険料を支払った場合の払込総額で比較した。

また、「家計保障保険」は年金支払い、「家族への保険」は保険金支払いであるので、「家計保障保険」の初年度に死亡が発生したときの受け取り年
金総額のおおむね半額の、2,200 万円を「家族への保険」の保険金額として設定した。

がんや急性心筋梗塞などの5 疾病の保障が厚い分をどのように判断するか、介護に対する保障がある点をどのように評価するかで評価はわかれるであろ。

2012年10月

杉山明

この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。

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