注目商品 収入保障(アクサ生命) by杉山明(29)
7624 アクサ生命
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「アクサの収入保障のがん保険」の分析保険商品に対するコメント この商品の評価ポイント- がんの治療の変化に応じて、入院給付中心の給付から、診断されたことによる給付に、保障の焦点を切り替えた
- 消費者のニーズに合わせて、支払のタイプを2 種類、保障のタイプを2 種類用意して、合計4 種類の契約タイプから選択できる
- 初年度のみ年金を倍額にする特約が用意されている
この商品の注意を要するポイント- 年金支払期間、死亡保障、さらに、第1 回年金の倍額設定などの選択によっては保険料が高くなる可能性がある
- 上皮内がんは保障されず、解約時に戻ってくるお金（解約払いもどし金）はない
消費者側の注意点- 保険に求める保障の範囲を明確にせず、手厚い保障のみを追い求めると結果的に高い保険料となる
- 保険商品の仕組みが複雑なので型ごとに異なる商品と考えたほうがよい
保険商品に対するコメント商品戦略
アクサ生命は、フランスを拠点とする保険・資産運用グループAXA の日本での拠点になる。旧日本団体生命を引き継ぐ形で日本の拠点を整備してきたために、団体保険のウェイトが高いという特徴がある。しかし、ここ5 年ほどで団体保険の保有ウェイトは大きく低下する傾向にある。
営業チャネルは、代理店部門による販売のほか、営業職員には商工会議所会員企業の福利厚生制度を担当するチャネルと、ソニー生命やプルデンシャル生命のLP と同じような仕組みのFA（ファイナンシャルプラン・アドバイザー）という2 つのチャネルが存在する。さらに、インターネットによる直販もあり、銀行などの金融機関やプロ代理店による販売チャネルも存在しており、営業チャネルという観点から考えると、フルラインナップのチャネルが整備されている。
そのため、商品ラインナップも、個人向けの商品、団体向けの商品、法人顧客向けの商品などが混在しているイメージがあり、一通りのものがそろっているが、特徴のある商品が少ないという印象の保険会社であった。
おそらくそのことが契機となっていると推測されるが、2009 年度から、「アクサの「〇〇」の□□保険」という商品名称のイメージの統一を図っている。「アクサの「収入保障」のがん保険」についても、この商品ブランドイメージの統一化の一つということができるであろう。ネーミングの統一を図っている保険種類を見ると、おおむねほかの会社も販売に注力している主力商品といえるであろう。
「アクサの「収入保障」のがん保険」のネーミングで一つ気にかかるところは、ペットネームでは「がん」とひらがなの名称を使用しているのに対して、保障内容の説明では「ガン」とカタカナ表記になっている。実は、ひらがなを使う会社（アフラックなど）と、カタカナを使う会社（メットライフアリコなど）が混在しているのは事実であるが、少なくとも、同じ会社の中で表現は統一してほしいものである。
商品分析
商品内容には特徴がある。一般的ながん保険は、入院を支払いの要件としており、支払われる給付金も原則として入院した日数に比例するものとして設計されている。
しかし、この保険は、ガンで診断確定されたことを支払の要件としており、一度診断確定されると5 年間年金を受け取ることができる仕組み（Ⅰ型）である。Ⅱ型もガンと診断確定されたことのみを保障するタイプであるが、年金の支払い期間が延びる。
Ⅱ型では、保険期間満了の時まで年金が支払われる仕組みであり、Ⅰ型より仕組みが複雑で、ほかの条件が同じであれば保険料も高くなる。ちなみに、通信販売で販売されているのはⅠ型のみである。Ⅰ型とⅡ型の保障はガンで診断確定されたときのみであるが、Ⅲ型とⅣ型は、それぞれ、Ⅰ型とⅡ型の保障の範囲を死亡にまで拡大したものである。
保険料はさらに高くなることが予想される。
通信販売で手軽に購入できるものとしてⅠ型が位置付けられており、Ⅱ型～Ⅳ型は本格的
なコンサルティングを前提とした商品になっている。できればターゲットが異なる場合には、商品そのものを分離したほうがよいと思う。
消費者としては、複雑な仕組みのタイプに加入するのではなく、仕組みのわかりやすいⅠ型に一定額加入しておき、死亡保障などは別の保険でカバーしたほうが、リスク管理としてはわかりやすい。
2012年12月
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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