注目商品 エンロード(マスミューチュアル)by杉山明(32)
7636 マスミューチュアル生命
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\en ロード（エンロード）（マスミューチュアル生命）
「\en ロード（エンロード）」の分析
保険商品に関する情報
この商品の評価ポイント
- 相続税の非課税枠を使用する生命保険として典型的な保険である
- 一時払であるため、加入した時点から税制メリットを享受できる
- 円建てであり、かつ、積立利率が最低でも15 年間は保証されている
- 告知のみで加入することができる
- 年金による受取りも選択することができる
この商品の注意を要するポイント
- 解約返戻金や積立金が変動する仕組み（市場価格調整）が導入されている
- 申込手数料は年齢によって負担が異なる
消費者側の注意点
- 市場金利が上昇したときは市場価格調整率（解約ペナルティー）が高額になる仕組みである
- 積立利率は積立金を計算するときの利率であり、解約した場合の実際の利回りは積立利率より低くなる
- ソルベンシーマージン比率は高くない
保険商品に対するコメント
商品戦略
マスミューチュアル生命は、旧平和生命の流れをくむ外資系の保険会社である。
同社はフルラインナップの商品をそろえる戦略を採らずに、シニア層、富裕者層にターゲットを絞った商品展開をしている。
営業戦略としては2009 年度に平和生命から引き継いだ直販営業チャネルを一掃し、営業チャネルを代理店に絞り込んでいる。
商品は、一時払の年金保険や終身保険が中心であり、銀行が主力な販売チャネルになっている。
また、2008 年度には終身がん保険や逓増定期保険の取り扱いを開始し、中小企業向けの節税商品の販売にも乗り出している。
前者のチャネルのイメージは銀行で販売される変額保険ではない年金保険や終身保険であり、特に、保険料を払い込んだ直後に年金の受け取りが開始されるタイプの即時払いが主力であることに特徴がある。
ただし、シニアマーケットは団塊の世代が大量にリタイアしてしまうと、現在の勢いが低下するといわれている。
そのため、第2 の軸足として選択したのが、中小企業のオーナー向け節税商品ということであろう。
年換算保険料が高額になることの多い節税関連商品は営業効率がよく、中小規模の生命保険会社が注力する分野の一つである。
商品分析
ホームページによれば、エンロードという商品は5つの銀行で販売されているが、いずれも地方銀行である。
この保険は、リスクの少ない、保険金額の変動が少ない保険として販売されていることが推定できる。
仕組み図を見ると金額が変動しているが、この変動は変額終身保険のように運用の成果そのものを反映したものではなく、市場価格調整による変動である。
市場価格調整機能で押さえておきたいことは金利の動きとの関係である。
市中の金利が上昇すると市場価格調整によるペナルティーの金額は大きくなる。
つまり解約したとき、計算された解約返戻金額からより多くのペナルティーが差し引かれるということである。
市中の金利が下がったときには反対にマイナスのペナルティー（プレミアム）が付く仕組みである。
最も適した使い方は相続対策であろう。
相続財産を保険で準備することにより、相続財産上の計算上、「法定相続人の数×500 万円」の非課税枠を設けることができる。
また、保険金受取人を指定することにより、意図する人に直接遺産を残すことができる。
そういった場合に、この保険は適している。
2013年3月
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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