診断給付金100万円がん保険TOP5この4月にオリックス生命から定期型のがん保険「Force」が発売され、がん保険のラインアップは落ち着いたようです。
これまでいろいろな角度からがん保険について書いてきましたが、今回現実的に活用できるものを5つピックアップしてまとめてみたいと思います。
ミニマムな基本プランにプラス先進医療で算出して比較しました。 診断給付金だけで契約できるところから、入院、手術、退院給付まで基本プランに組み込まれているものまでバライティに富んでいます。
表の説明をします。
まず「給付条件」は診断給付金が支払われる条件を示しています。 色づけした「上皮内がん100%、複数回」とは、上皮内がんでも100%の給付(ここでは診断給付金が100万円なので全額の100万円)で、2年以上経過後の再発(入院を条件とする)でも同じく100%診断給付金が支払われるという「給付条件」となります。
メットライフアリコは「上皮内がん50%、複数回」だと、上皮内がんだと診断給付金は半分の50万円、2年以上経過後の再発は100%給付、アフラックに至っては「上皮内がん10%、初回のみ」となっており、上皮内がん10万円で再発しても給付なしです。 (アフラックは「再発長期治療」の特約で保険料を上乗せして「5年後の再発」に備えることができます)
消費者目線で見ても、また勧める方から見ても、メットライフアリコとアフラックは少々辛いかもしれません。
ここで掲載していない他社(NKSJひまわり生命、三井住友海上あいおい生命など)でも「上皮内がん100%、複数回」のがん保険を発売しているこのご時世で、あえて上皮内がんが10%とか半分、または再発は基本なし、などというがん保険に加入する意義が見当たりません。
となると、初期の選択肢としてメットライフアリコとアフラックは慎重にならざるを得ません。
率直に言えば、消費者目線でも勧める方の立場でも、上皮内がんの備えが貧弱なのと再発で診断給付金が出ないものは埒外です。
近年、がんの早期発見が著しく増えている状況のなか、上皮内がんの状態で発見される確率が高くなっていると思われますので、「備え」として考えた場合、きちんと初期段階で選択すべきです。
再発での診断給付金については、単純にないよりあった方がいいに決まっています。
がん保険の老舗、というポジションに胡坐をかいて、未だに「がん再発」の対応がおろそかなアフラックについては、厳しい視線を送らざるを得ません。
初期の一時金について 基本的に<がんと診断されたら診断給付金100万円>という一時金が給付される設計ですが、少々それに上乗せとなる(できる)ものがありますので説明します。
AIG富士生命「がんベストゴールド」 【主契約】診断給付金:100万円(※1) 【オプション】初期給付:100万円
保険料は主契約より少々安い金額で、「初期給付」が付加できます。 つまり、このケースであればがんと診断された初回は200万円で、2回目以降は100万円の給付となります。
オリックス生命「Believe」 【主契約】診断給付金:100万円(初回のみ) 入院給付:50万円
実はオリックスの「Believe」の本来の「診断給付金」は初回のみなのですが、「入院給付」というのが主契約に組み込まれています。
つまり、初めてがんと診断されて入院した場合は、
がん診断給付金100万円+入院給付50万円=150万円
の給付となり、がん再発で入院すると「入院給付」50万円がもらえます。 ですので、再発でも給付されると掲載しました。
オリックス生命の定期タイプの「Force」について 「上皮内がん100%、複数回」の条件を満たし、近年増えているといわれている「通院によるがん治療」に対応するため、入院ではなく通院のみを担保する内容なので、うまくニッチをついていると思います。
しかしながら定期型なので扱いが微妙だと感じますが、加入2年以降に終身型にコンバージョン(告知なしで変更)できますので、選択肢になるかもしれません。
考え方としては、通常の入院保険で入院や手術は付保されていますので、がんの治療に対して、診断給付金や通院のみ上乗せする、というところです。
まとめ 繰り返しになりますが、「上皮内がん100%、複数回」は絶対条件であり、その他の選択の根拠は見当たりませんので、まずそこは抑えるべきです。
その上で、その他の保障内容を検討すればいいかと思います。 しかしながら、保障の充実を考えたらキリがありませんので、効率的に考えれば、通常の医療保険で入院や手術に備えているのであれば、診断給付金で通院などカバーすると割り切り、診断給付金のみで加入できるAIG生命の「がんベストゴールド」がベストかもしれません。
2013.7.
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