注目商品 終身医療プレミアム(チューリッヒ)by杉山明(35)
7653 チューリッヒライフ
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終身医療保険プレミアム(チューリッヒ生命)「終身医療保険プレミアム」の分析保険商品に関する情報
この商品の評価ポイント
- 生命保険業界で、おそらく初めてストレスに対する入院を保障対象に組み入れた医療保険であり、保障範囲が限定されることなく広範なストレス性疾病を保障する
- ガン、急性心筋梗塞、脳卒中に該当した場合には以後の保険料が免除される
- 先進医療保障・通院保障もついている
- ストレスに対する保障が拡大されたが、告知事項は従来と同じ内容にとどまる
この商品の注意を要するポイント
- ストレス性疾病にも支払には上限日数（365 日）が存在する
- 高度先進医療特約は10 年更新型
消費者側の注意点
- 通院による保障は、主契約の入院給付金が支払われる入院が前提条件であり、保障期間も30 日と短い
- ガンに関する保険料払い込み免除については90 日間の待ち期間が設定されている
保険商品に対するコメント商品戦略
チューリッヒ生命は、スイスを拠点とする保険グループの日本での拠点になる。損害保険のイメージが強いイメージがあるが、日本では1996 年から業務を行っている。
ガン保険の販売から業務を開始し、その後、医療保険の販売も行っているが通常（いわゆる第一分野）の生命保険商品の販売はない。業務的にはニッセングループの旧共済会ファミックスが保有していた共済契約を、2008 年に包括移転という形で受け入れている。
過去の業績の推移を見ても、収入保険料・保有契約ともに年々減少してきており、経営的には苦しい経営が続いていたものと考えられる。
そういった、経営環境の下、今回販売を開始した「終身医療保険プレミアム」は、これまで培ってきた第三分野商品に限られた資源を集中投資するという原則は維持しつつ、競合が激化する医療保険の分野で他社を差別化しようという意図を持った戦略的な商品として開発されたことが推測できる。
少し気になるのは、同社の販売チャネルである。テレマーケティングやニッセンチャネルを使った販売では、「終身医療保険プレミアム」の商品性が十分に顧客に伝えることができないのではないかと危惧される。
商品分析
「終身医療保険プレミアム」は、次世代型の医療保険であるように思える。医療保険という保険商品に現在パラダイムシフトが生じていると考えられ、「終身医療保険プレミアム」はシフトした後の保険商品の姿の一つであろう。
これまで医療保険は初期給付を重視していた。「少しの入院でも給付があります」、そして、「保険料が安いです」というのがその特徴であった。
しかし、医療保険の加入率が上昇するにつれて、消費者の知識は向上している。初期給付は公的医療保険と貯蓄の取り崩しで対応できるが、長期入院となった場合には対応できない。
つまりリスクは長期入院にあるということが浸透してきたのである。そこで、現在、長期入院のリスクを保障する医療保険が開発されるようになったというのが時代的な背景であろう。
ストレス性疾病の入院が長期化するという事実はよく知られている。
「長期入院を保障したい」⇒「ストレス性疾病は長期入院の主因の一つ」⇒「だから、ストレスを保障する」⇒「加えて、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中になると保険料免除の保障を提供」という図式で開発された商品と考えられる。
一歩間違えば給付金の大幅な増加につながる、ストレス関連の疾病は長く生命保険業界が手を付けることがなかった分野である。それゆえ、保有契約がそれほど大きくないチューリッヒ生命であるからこそ、取り組めた商品コンセプトなのかもしれない。
いずれにしても、今後、生命保険各社から発売される医療保険は、「初期給付から長期給付へ」という潮流に乗ったものになることが予想される。
2013年7月
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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