■「団体保険だから割安です?」グループ保険?団体扱い?集団扱い?

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生命保険■独断解説

■「団体保険だから割安です?」グループ保険?団体扱い?集団扱い?


「団体保険だから割安です」といわれても、「団体」保険にはいろいろあります。名前にとらわれず、どのような団体扱いなのかを見極めましょう。

(1)グループ保険[Aグループ]・総合福祉団体定期保険


会社(勤務先)が契約者となってその従業員に対して一律の基準(勤続年数や役職)で契約するもの。保険会社では通称「Aグループ」と呼ばれている。

会社(勤務先)が契約者となって保険料を負担し、死亡保険金受取人は会社が50%で従業員遺族が50%と鳴っているものが多い。(昔は会社100%が普通だったけれど、「従業員が死んで会社が儲けるのはひどい」、といった裁判もあり、現在は50%になっている。)

保険料は最も安くなっている。

会社を退職すれば契約から脱退となる。

■インターネット通販商品の保険料比較…グループ保険も比較

(2)グループ保険[Bグループ]


会社(勤務先)と保険会社とが制度を用意する保険制度。会社が援助することはあっても、会社が契約するのではなく、従業員が任意に契約するもの。

契約してもいいししなくてもいい。保険料は従業員が負担。死亡保険金受取人は従業員遺族となる。保険会社では通称「Bグループ」と呼ばれている。通常は保険料は給料から引き去りとなっており、会社の福利厚生制度の一環ともなっている。

保険料は割安だけれどもAグループほど安くはない。

会社を退職すれば契約から脱退となるのが原則だけれども、制度によっては個人継続が可能なものもある。

(3)集団扱い・団体扱い


一定の集団に属している人たちが契約可能な生命保険。一般扱い(つまり個人契約)で通常に販売している商品について多少の割引がなされるということで販売されることが多い。

クレジットカード会社、商工会、商工会議所、通販会社、等。クレジットカード会社の場合にはそのクレジットカードを持っていればその集団の対象となる。これを「集団扱い・団体扱い」といわれていることもある。

●保険料が安くなるとは限らない●

ダイナーズクラブから「ダイナーズクラブ会員の皆様に特別にご案内します」と書かれた封筒で医療保険のダイレクトメールがとどきました。

一般にこのような場合には「集団扱い」として多少は割引になっているのが普通です。

どのくらい安くなっているのかな…と、ダイレクトメールと保険会社のホームページを比べてみました。

ダイレクトメールは「新・医療保険」で引受保険会社はアリコジャパンです。アリコジャパンのホームページにはこのような保険名はありません。「ばっちりたよれる終身医療保険」と保障内容が似ています。

カード会社の「特別に案内」商品と、保険会社の直販商品とは、比べずらいのが普通です。多少は保障内容を入れ替えて比べづらくしてあります。そのためにどのくらい安くなっているか分からないのが普通です。

しかし今回は同じものを見つけました。「新・医療保険」WBプランと「ばっちりたよれる終身医療保険」シンプルコース(Dプラン)×2口は同じ保障内容です。生活習慣病入院1入院180日通算最高1,095日、その他入院1入院60日通算最高730日、それぞれ入院日額2万円です。驚いたことに、両方とも保険料は全く同じでした。

カード会社の「特別に案内」商品は集団割引として多少は安くなっていると思うし、「ダイナーズクラブ会員の皆様に特別にご案内します」なのだから、多少は有利なはず。しかし同じ商品で保険料は全く同じでした。(2005年4月)

それどころか「特別に案内」商品は、入院日額1万5000円からです。一方で直販商品は1万円から契約できます。

「特別に案内」商品はクレジットカードから保険料引き落としなので、クレジットカードとしてのポイントがたまることだけが利点のように書かれています。しかし直販商品も保険料支払いをクレジットカードにできます。

このカード会員用プランはちっとも有利じゃありませんでした。

さて同じダイナーズカードから「ダイナーズクラブ会員の皆様にふさわしい、ゆとりある保障です」と書かれた封筒で医療保険のダイレクトメールがとどいたことがあります。

このときは同じアリコジャパンの「てごろでがっちり入院保険」でした。そこには「ダイナーズクラブ会員特典として特別集団割引料率を適用。入院保険に限り月々の保険料が、通常より割安になります。」と明記されています。つまり集団割引で普通より保険料が安くなっていたのです。

同じ「ダイナーズクラブ=アリコジャパン」の組み合わせでも、保険料が安いときと安くならないときがあるようです。気をつけないといけないようです。



(4)団体収納扱い・団体扱い


単に給与引き去り扱いの一般の生命保険。勤務先の会社という「団体」が保険会社に代わって保険料収納しているということ。一般の生命保険を契約して保険料を払うときにどのようにして保険料を払うのか。集金扱いもあれば銀行口座の引き去り扱いもあれば振込用紙による振込み扱いもある。

そして契約者の勤務先が給与から引き去りをして一括して保険会社に支払う方式がある。これを「団体扱い」や「団体月払い」といわれていることもある。

通常の保険商品の保険料の払込方法のこと。保険会社にとっては手数がかからないのでほんのわずかだけれども保険料が数パーセント程度安くなっていることもある。

そして勤務先に対しては保険会社から事務費が支払われていることも多い。保険料割引も事務費もその会社での給与引き去りを希望する契約者の数やその会社がどの程度の事務をするかで差がついてくる。


団体定期保険と定期保険との比較 by 古川悦子(3)
Q&A 会社のグループ保険ってお得なの?

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