商品比較200304 掛捨ての保険は損？

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Ｑ.掛捨ての保険は損？

保険は保障を買うもの。保障を得ているのだから当然それに対しての対価を支払って当然、と思うのですが、どうも「掛捨ては損」というイメージが強いようですね。

果たして掛捨ては本当に損か？を計算してみました。

例）３５歳男性死亡保障額1,000万円保険期間１５年
養老保険の場合…月払い保険料…53,600円
定期保険（健康体適用）の場合…月払い保険料…2,900円

養老保険は保険期間中1,000万円の死亡保障があり、満期時に1,000万円が満期金として支払われる貯蓄性の高い保険の代表格です。

一方定期保険は死亡保障のみで、文字通り掛捨ての保険です。両者の月払い保険料は上記のとおりで、同じ1,000万円の死亡保障でもこれだけの差があります。では、この差額を貯蓄した場合、どのくらいの利率で運用すれば養老保険と同じ（保障1,000万円、15年後に手元に1,000万円）になるのかを検証してみます。

（単位：万円）

年	養老保険（解約返戻金）	差額を貯蓄したら
年	養老保険（解約返戻金）	ケース１年利0.3％複利運用した場合	ケース２年利1.3％複利運用した場合	ケース３当初年利0.3％、５年毎に1％金利がアップしたら
1	32	61	61	61
2	94	122	122	122
3	156	183	185	183
4	220	244	248	244
5	286	306	312	306
6	352	368	377	371
7	420	430	443	437
8	489	492	509	503
9	560	554	577	570
10	631	617	645	639
11	702	679	714	714
12	774	742	785	791
13	848	805	856	870
14	930	869	928	951
15	1,000	932	1,001	1,034

ケース１は現在の定期預金金利（比較的有利な金融機関のもの）がずっと続いた場合です。この場合には明らかに養老保険の方が有利なようです。では、ほぼ同じレベルにするためにはどのくらいの金利が必要かというのがケース２です。約1.3％の複利運用ができれば15年後の残高はほぼ1,000万円になります。（税金は考慮せず）

安全確実な運用で1.3％の金融商品を探し出すのは現在では至難の技ですので、養老保険に軍配が上がりそうですが、今後金利が上昇していった場合はどうでしょうか。ケース３は５年後に1.3％、10年後に2.3％に金利が上昇した場合の試算です。掛捨てが損かどうかは最終的には満期が来るまでは断言できませんね。つまりは今後の金利をどう読むか、が判断材料になるというわけです。

ただ注目して欲しいのは満期時だけではなく、その途中経過です。ケース１の場合でも８年後くらいまでは貯蓄の方が有利、という結果が出ています。貯蓄性の高い保険を選ぶ場合には、長く続けることができる無理のない保険料か、ということがポイントになってくることがおわかりいただけるでしょう。中途で他に資金が必要になって解約した場合には、保障をまた別に準備しなくてはならなくなるため、保険料も余計にかかってしまうことになります。

掛捨ては損、と決め付けず、今後の金利の動向はどうなのか、今後資金が必要になることは無いかなど総合的に判断することが重要です。

2003年4月
（ＣＦＰ高田晶子）

マネーカウンセリングネット「Wealth」

この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。

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