Q&A200402 予定利率引き下げの制度

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Q&A200402 予定利率引き下げの制度



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Q&A なんで予定利率引き下げの制度ができたか

Q・JA共済にも破綻前に予定利率引下げを可能とする制度ができるようです。なぜそんな制度が必要なのでしょう?

民間の生保に続き、JA共済にも、破綻しなくても予定利率の引下げができる制度が設けられるという記事を読みました。保険にしても共済にしても、勝手に予定利率が引下げられるというのはどうしても腑に落ちません。どうしてそんな制度が必要なのでしょうか?

A・「契約者保護のため」といわれていますが、制度が作られた背景にあるのは、相互会社や共済でリスクを取るのは原則として「出資者」である契約者や加入者、という考え方のようです。

民間の生命保険会社が、破綻前に予定利率の引下げができるようになったのが、2003年8月。保険業法第240条が作られて、保険会社が契約者に保証していた予定利率を、一定の手順を踏めば、破綻しなくても引下げられるようになったのです。

引下げるといっても最低ラインが設定されているため、現時点では3%以下には下がりません(ただし最低ラインも変更可)。JA共済の場合は農水省が管轄なので、保険業法は適用になりませんが、農水省も同様のしくみをつくるために農協法の改正を国会に出す予定で、国会を通れば2005年4月から生保同様いつでも引下げが可能になる予定です。

なぜこんな制度が必要なのでしょう? 生保の制度ができたときの説明だと、超低金利や株価低迷で生保会社は「逆ざや」(契約者に約束した予定利率に実際の運用が及ばない状態)に陥っていて、経営を圧迫しています。そのため、万一のときの「契約者保護」のためにつくられた、とされています。

これだけでは何のことやらよくわかりませんよね。もう少し説明するなら、民間生保の場合、破綻したら「保険契約者保護制度」によって、責任準備金の9割が保護されることになっています。つまりは、破綻すると最大1割まで責任準備金がカットされる可能性があるのです。

責任準備金というのは、将来の保険金支払いに備えて積立てられる準備金のことで、ここがカットされれば、死亡保険金や入院給付金、満期保険金などが引下げられる可能性があるのです。さらに過去の例だと、破綻後は予定利率も引下げられたので、その後の責任準備金の運用利率も低下。その結果、死亡保険金や入院給付金、満期保険金などがさらに引下げられる可能性があるのです。つまりは、ダブルパンチ!なのです。

しかし、破綻前に予定利率を引下げることで経営危機に瀕した保険会社が存続できれば、予定利率の引下げだけで済みます。それならダメージを最小限に食い止められるので、契約者にとってもいいことのはず。だから「契約者保護」になる・・・というわけです。

「なるほど」と思ってしまいそうですが、それでは短絡的過ぎます。予定利率の引下げを行えば、「うちは破綻しそうです」と宣言するのに等しいため、解約が殺到すると予想されます。そのため、実際にはどこの保険会社も実施しないだろうと見られている制度でもあるのです。

そんな意味のない(?)制度が作られたのはなぜかというと、生命保険会社に多い相互会社という組織の特質にあると、個人的には理解しています。相互会社の場合、契約者はイコール社員であり、出資者でもあるのです。最近は株式会社である生命保険会社も増えてきましたが、決定的な違いは、株式会社でリスクを取るのは株を買って投資をした投資家ですが、相互会社でリスクを取るのは、社員であり出資者でもある契約者自身なのです。だから、経営が行き詰ったとき、理屈としてはリスクを負担するのは当たり前のことなのです。

一方、JA共済をはじめとする共済には、破綻時の保護制度はありません。共済は出資金を出して組合員になり、その中で行う「助け合い事業」で、やはりリスクを取るのは組合員なのです。今回、共済の中でも貯蓄型の商品を多く扱ってきたJA共済も「逆ざや」に苦しんでいることから、生保同様の仕組みを設けようということになったのでしょう。

相互会社である保険会社の加入者も、JA共済の加入者も「腑に落ちない」と感じる人は多いでしょう。当然だと思います。契約者は、加入時点でそうした重要な説明を受けていないからです。そこが最大の問題といえます。

2004年2月
ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田眞弓






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