Q・女性が入院することの多い病気・けがなどの原因について教えてください。 A・2003年度のCO・OP共済《たすけあい》の入院共済金支払データで見てみましょう。20・30代から40代、50代まで、年代別に見ていきます。
●20・30代は出産系が上位を占める
2003年度のCO・OP共済《たすけあい》の例ですが、20・30代の女性で、入院給付金を受け取る入院をした人の比率が最も多かったのは、妊娠中や分娩の異常でした。続いて、切迫早産や帝王切開、切迫流産と妊娠・出産がらみの原因が多くなっています。
CO・OP共済では妊婦の加入を制限していない(注:告知項目に該当せず、経過が順調な場合)こともこうした数字に跳ね返っているのかもしれません。さらに卵巣腫瘍、神経症と続きます。
入院日数が長いのは、神経症、切迫早産、切迫流産の順番でした。
20・30代女性 | 順位 | 原 因 | 割合 | 平均入院日数 | 1 | その他の異常妊娠・異常分娩 | 14.60% | 15.4 | 2 | 切迫早産 | 9.20% | 28.4 | 3 | 帝王切開 | 7.40% | 12.1 | 4 | 切迫流産 | 6.20% | 21.1 | 5 | 卵巣腫瘍 | 3.70% | 12.4 | 6 | 神経症 | 3.50% | 47.9 | 7 | 子宮筋腫 | 2.80% | 13.1 | 8 | 胃腸炎 | 2.40% | 17.2 | 9 | その他の女性生殖器の疾患 | 2.40% | 11.4 | 10 | 扁桃炎 | 2.10% | 9.5 | ●40代は筋腫やガンが上位に40代女性で入院する確率が高いのは、下のデータを見ると、1位が子宮筋腫とわかります。続いて、乳ガン・子宮ガンが2位、3位を占め、卵巣腫瘍が次にきます。相変わらず、女性疾病が上位です。
神経症については20・30代のときより順位が上がっています。胆石や胃腸炎、椎間板ヘルニアなども含め、女性疾病以外の病名も増えています。
入院で長引きがちなのはやはり神経症で、次いで、子宮ガンや椎間板ヘルニア、となっています。
40代女性 | 順位 | 原 因 | 割合 | 平均入院日数 | 1 | 子宮筋腫 | 14.60% | 14.1 | 2 | 乳ガン | 7.70% | 21.2 | 3 | 子宮ガン | 5.40% | 25.9 | 4 | 卵巣腫瘍 | 3.20% | 14.7 | 5 | 神経症 | 2.60% | 45.7 | 6 | 胆石症 | 2.60% | 13.9 | 7 | その他の女性生殖器の疾患 | 1.90% | 14.6 | 8 | 胃腸炎 | 1.90% | 17.7 | 9 | 子宮内膜症 | 1.70% | 14.3 | 10 | 椎間板ヘルニア | 1.70% | 24.3 | ●50代はその他のガンも増加50代の女性では、入院の原因は子宮ガンがトップになります。乳ガンがそれに続くとともに、結腸ガンや胃ガンといった女性特定疾病以外のガンも目に付きます。また、糖尿病や胆石症が上位に入ってくるのも特徴です。
入院日数で長びきがちなのは、その他の関節症、結腸ガン、胃ガンと、40代までとはまた変わり、女性特定の病気以外が並びます。
50代女性 | 順位 | 原 因 | 割合 | 平均対象日数 | 1 | 子宮ガン | 7.70% | 25.9 | 2 | 乳ガン | 6.90% | 24.9 | 3 | 糖尿病 | 3.40% | 21.4 | 4 | 胆石症 | 3.00% | 15.7 | 5 | 子宮筋腫 | 2.90% | 15.4 | 6 | その他の関節症 | 2.30% | 46.6 | 7 | 結腸ガン | 2.20% | 33 | 8 | 肺炎 | 1.90% | 16.1 | 9 | 胃ガン | 1.90% | 30.9 | 10 | 卵巣腫瘍 | 1.70% | 16.3 | ●全体的に見ると・・・入院する原因で見ると、若い頃は妊娠・出産にからむ病気による入院が多く、その後はやはり女性特定の病気が上位に。年代が上がるにつれ、女性特定の病気での入院や、成人病に該当する病気が増えてくるのがわかります。
一方、入院日数の長い順で見ると、20代〜40代までは神経症、50代では関節症がトップ。他にも、20・30代なら切迫早産、切迫流産、40代なら子宮ガンや椎間板ヘルニア、50代は結腸ガン、胃ガンとなっています。
年代によって、女性が入院する原因も違ってくることがわかるのではないでしょうか。こうしたことを参考に、医療保障はどう準備したらいいか、ジックリ検討するといいでしょう。
2004年12月
ファイナンシャルプランナー 豊田眞弓
|