女性疾病特約の比較日頃、設計書を見ていて、女性疾病特約の給付日数などが主契約の条件と微妙に異なる商品があることが気になっていました。また、同じ女性疾病特約でも各社で内容に差があることも明らかにしたいと思います。 (各社で特約名は異なりますが、ここでは「女性疾病特約」と統一させていただきます)
女性疾病特約比較 | (保険料は日額5000円+女性疾病5000円、30歳女性、終身払いの場合) | | ING生命 | アメリカンファミリー生命 | アリコジャパン | ソニー生命 | 日本興亜生命 | 入院
| いつから? | 8日以上の入院で1日目から | 日帰り入院以上で1日目から | 8日以上の入院で8日目から | 5日以上の入院で5日目から | 1泊2日以上の入院で1日目から | 1入院は? | 主契約と同 | 60日 | 120日 | 120日 | 60〜1095日で選べる | 手術 | 〇 5万、10万、20万円 | △ 形成治療給付金10万円 | △ 形成治療給付金20万、40万円 | 〇 5万、10万、20万円 | × | 女性疾病の範囲 | 女性特有の病気+α | 女性特有の病気のみ | 女性特有の病気のみ | 女性特有の病気+成人病 | 女性特有の病気+成人病 | 特約の保障期間 | 終身 | 終身 | 80歳 | 80歳 | 終身 | 保険料 (うち女性疾病)
| 5785円 1315円
| 2345円 625円
| 2885円 320円
| 2990円 1120円
| 3080円 955円
| 主契約に関する備考(付加できるものは、短期入院特約も付加) | 入院条件は特約と同。解約返戻金あり、死亡保険金50万円。 | 入院条件は特約と同。解約返戻金なし。 | 1泊2日以上の入院で1日目から。1入院120日。解約返戻金なし。 | 1泊2日以上の入院で1日目から。1入院60日。解約返戻金なし。 | 入院条件は特約と同。解約返戻金なし。上記特約保険料は1入院60日の場合。 | (協力:フィナンシャル・アドバイザーズ) | ●入院・手術給付の内容が異なる女性疾病特約を5社の商品で比較してみました。下表を見ていただくとわかるように、同じ特約と思っていても、各社で内容に違いがあるのがわかります。
入院は、「いつから給付されるか」の条件で見ても、日帰り入院からのもの、1泊2日以上のもの、5日以上の入院で5日目から、8日以上の入院で1日目から、8日以上の入院で8日目から、と、5商品とも全て違いました。
おそらく、主契約に準じていたためにそのような差となったものと思われます。医療保険の短期入院保障化の流れで、短期入院特約などができ、それをつけたときに、主契約の入院保障と女性疾病特約の保障開始日に差が現れる商品もあるようです。1入院は60日と120日があり、なかには60〜1095日で選べるものもあります。
女生疾病特約の差は、手術給付金にも現れています。女性疾病の手術で倍額になるのは、下の商品で見るとING生命とソニー生命のみ。アメリカンファミリー生命、アリコジャパンは形成治療給付金として、顔や乳房の手術(アリコジャパンは足指の後天性変形の手術含む)の場合のみ給付の対象。日本興亜生命は特約からの手術給付金はありません。
また、商品による差があるのは、対象となる「女性疾病」の範囲です。大まかに言うと、女性特有の病気のみ(アメリカンファミリー生命、アリコジャパン)、女性特有の病気+αの保障がある(ING生命)、女性特有の病気+成人病(ソニー生命、日本興亜生命)と、違いがあります。
●「女性疾病」の対象にも差が女性疾病というと、乳房や子宮、卵巣などといった女性特有の部位での女性特有の病気や、妊娠・出産での合併症、関節リウマチなどが対象なのですが、ソニー生命の例で見ると、上記にプラスして、女性疾病以外のガンや、糖尿病、血液の疾患、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患、循環器系の疾患なども幅広く保障します。
●特約の期間も異なる特約がつけられる期間も80歳までのものと、終身のものとがあります。終身型は安心度は高いのですが、高齢になるほど女性疾病の比率が高くはなくなることを考えると、保障内容が女性疾病に限定されているものほど終身保障にこだわる必要はないかもしれません。
保障範囲が広いものほど、終身保障の意味が出てくるといえます。ただし、それだけ保険料の支払いが続くことも頭に入れておく必要があります。
●保険料や他に加入している保険を加味して検討を下表で女性疾病特約の保険料を比較してみると明らかですが、上記のような保障内容の差は、当然ながら保険料の差となります。保険料と保障内容を見比べながら保障内容を検討する必要があります。
どの特約がいいのかは、他に入っている保険とのバランスや、家計の中の保険料負担との兼ね合いで考えることになります。
ファイナンシャルプランナー 豊田眞弓(2005年6月現在)
|