保険料が引き落とされないとどうなる?
生命保険の保険料はほとんどのケースで口座振替を利用されているでしょう。口座振替は便利である一方、ついつい口座の残高の確認を忘れて、生命保険料が引き落とされなかった、という経験がある方もいらっしゃると思います。 では、生命保険料が引き落とされないと、保険契約はどのようになるのでしょうか?
猶予期間がある 保険料の支払いが無かったからと言って、すぐに保険が無効になってしまうわけではありません。少しの間、契約は継続する「猶予期間」があります。 猶予期間は、払込が「月払い」か「半年払い」か「年払い」かによって少し異なります。
・月払いの場合の猶予期間は払込期月の翌月1日〜末日まで 例) 契約日が5月10日 毎月27日に引き落とし 5月27日に保険料が引き落としできなかった場合
・半年払い・年払いの場合の猶予期間は払込期月の翌月1日〜翌々月の月単位の契約応答日まで
例) 契約日が5月10日 半年払い… 毎年5月27日、11月27日に引き落とし 年払い…… 毎年5月27日に引き落とし 5月27日に保険料が引き落としできなかった場合
この猶予期間中に万一保険金や給付金が支払われるような事態が起こった場合には、支払われていなかった保険料分を差し引いて、保険金は支払われます。
猶予期間を過ぎると契約は失効する 猶予期間中に保険料の支払いができないと、保険契約の効力がなくなります(失効)。ただし、失効後でも契約を再開させいたい場合には、「復活」という手続きをとることも可能です。
変額保険は3ヶ月以内、その他の保険は3年以内に、告知書を提出(診査が必要な場合もあり)し、支払っていなかった保険料とその間の延滞利息を納め、会社から承諾されれば契約を再開できます。保険料なども従前のままです。
なお、解約返戻金があり、自動振替貸付を行うように手続きしてある場合には、猶予期間満了後は、解約返戻金の範囲内で自動的に保険料に振り替えられる仕組みがあります。
ただし、これは「貸付け」になりますので、所定の利息が付されます。この利息は満期時または保険金支払い時までに支払えば良いのですが、支払いまでの期間が長くなれば当然ながら利息額も増えてしまいますので、なるべく早く返済してしまいましょう。
健康状況によっては復活できない ここでの注意点は、失効してしまってから復活手続きを行う場合は告知書の提出、または診査が必要になるということです。
加入してから復活までの間、もし病気などをして保険に入れないような状況になっていると、復活もできなくなってしまいます。このような場合には、他の保険に加入しなおすことも難しくなってしまうでしょう。
また、失効中に入院したり、死亡したりした場合は、保障の対象になりません。手続きを先延ばしにすることにより、保障されない場合も考えられるので、失効にはならないよう十分な注意が必要です。
月払いの場合は1ヶ月分でも早めに支払いを 月払いの場合には、1ヶ月分が未納になった場合通常翌月に2ヶ月分が徴求されます。この時に、1ヶ月分だけでも支払いができれば、猶予期間がもう1ヶ月先に延びることになりますので、失効を免れることが可能です。
もし、一時的に支払えないという場合には、このような方法を取るのも良いでしょうが、失効してしまう危険性は高くなりますので、なるべく早く通常の支払いに戻すようにしましょう。
せっかく長く続けてきた保険でも、失効してしまい、復活ができなければ何もなりません。保険料の引き落としができない、というようなことが起きないよう、お給料の振込み口座から引き落とされるようにするなど、防御策が必要です。
※なお、各保険会社によって基準や手続き内容が異なる場合もありますので、保険料の支払いが遅れた場合などは、すみやかに保険会社にご確認ください。
マネーカウンセリングネットWealth CFPR 高田晶子
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