大地一成の一刀両断
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200404 目先の安さに眼を奪われるな!---更新型と全期型
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大地一成の一刀両断…目次
目先の安さに眼を奪われるな!---更新型と全期型 目先の保険料の安さ、に目を奪われ生命保険商品を選択すると「人生のアクシデント」に対応することは極めて厳しくなる事実を契約者は心しておくべきだ。その時になって慌てふためいても手の施しようがない。その前例がある。
■ 更新型と全期型 大手生保を中心に終身保険に定期保険特約を付加した「定期付き終身保険」は大量に販売された。当初は、終身保険と定期保険の長所と短所を上手く組みあわせた契約者にとって好都合な保険商品だった。ところが、昭和の後半から一部生保が「定期保険を更新型」として販売を始めた。当然30年満期の定期保険より10年満期の定期保険が保険料が安くて済む。そして平成になるとどの大手生保も「定期付き終身保険」は『更新型』を主力販売し始めた。
(1) 更新毎に高くなる保険料 例えば30歳で加入してもその「定期保険」は「10年満期の定期保険」だから、10年を経過すると、40歳加入の「10年満期の定期保険」に”更新”することになる。当然保険料は高くなる。
(2) 全期型説明がない「更新型販売」の横暴! 実は、「定期付き終身保険・更新型」を発売する際、類似商品である『全期型商品』の比較説明があったかとなると極めて疑わしい。つまり、多くの契約者は「どの”更新型”商品を選択するか」という極めて限られた選択肢しか説明・販売されなかった事例が多くある。もし、契約時更新型ではなく全期型を選択していたらどうなっていたか。 (1)で説明したような更新毎に保険料が上がる事態は避けられた。しかも全期型選択をしていたら、契約後から10年後には定期保険の中に「解約返戻金」が蓄積していた。さらに、全期間の保険料累計は大概のケースで更新型よりも全期型が少ない。つまり加入時は保険料負担が少ないように思った更新型は実質多額の保険料を支払わされる「契約者損失が多い保険商品」だったのだ。
しかも「定期付き終身保険」に付加した入院保障などの『特約』も”更新型”にした場合、契約者の悲劇は増幅する。例えば30歳加入で10年更新型の選択をすると、特約保険料も10年ごとに”更新”され、その度に保険料は高くなる。そして更新を繰り返し保険料払込期間満了の60歳を迎えたとする。
ここでとんでもないことが起きる。つまり、「60歳から80歳までの特約保険料の一括払い」だ。仮に年間保険料が10万円なら20年間の保険料約200万円(実際は前納割引きがあるためその利率により少なくなる)を一括で支払えと言う内容なのだ。流石にこれは最近になって年払いなどでも支払えるようにはなったが、実はもし契約時「全期型の特約」を選択していたら、さらに契約者が驚く違いが隠されていた。
もし、「全期型・特約」ならその60歳時「契約時の30歳で計算された保険料」で済んだのだ。ところが「更新型・特約」は「60歳保険料率で再計算」することになっていたのだ。言うまでもなく保険料は30歳と60歳とでは大きく異なる。ところが、この違いを正確に説明して契約した痕跡は極めて少ない。
果たして14年度末で民間生保が保有する「定期保険付き終身保険」は、約2,166万件あるが、その内のどれくらいが「更新型」でしかも「更新型・特約」であるかは公表されていない。もし、何も知らずに60歳から80歳までの「特約保障」を確保していると思い、いざ蓋を開けてみたら驚くような保険料を支払う必要が起きる可能性があるのだ。
(3) 「更新型」の悲惨な実例! さて、『「ムダをカット!保険見直し!」は、ちょっと待った!…』で「保険金年金払型・逓減定期保険」をメインで契約するリスクを説明した。ところがこの「更新型」でも同じような事例が発生している。
更新前の大病だ。特に年代がいくと更新後の保険料は倍近くなる例は少なくない。身近な例では更新直前になって「ガン」が再発し、まさに更新前の4ヶ月前に入院した知人がいる。50歳代後半であるその知人は、それまでの数万円の保険料が更新後はほぼ倍の10万円を超える内容だった。もちろん「がん保険」にも加入していたが、前回の胃ガンでの闘病生活で保有していた貯蓄も底を着き再発の時は経済的にも苦しかった。
見た目にも回復の可能性は少ないと思われる状態だったが、病床で亡くなる直前「今月中に死ねば今の保険料で済むが来月になると更新で保険料が高くなるんだよな」と念押しされたときは答えようがなかった。そして更新の半月前に他界した。
もし、あの保険が「全期型」なら、もっと余裕ある話が出来ただろうし、あるいは好転の可能性もあったかも知れない。契約時の「更新型か全期型かの選択」が、本当に生命保険を必要とするときに、降って湧いたように本人をまた家族を襲うのだ。
本人が自分の加入している生命保険が「更新型」であることを知ったのは、最初にガンが発症した後だった。確かに「生活設計」からするとその保険金額は多かったかも知れない。しかし、ある時「万一の時、これだけのお金(保険金)は残してやりたい」とふとこぼしたことがある。一度死線をさまよった男の本音だろう。
今、残された家族全員で見晴らしの良い墓地を探し、そこに眠る。合掌。
2004.4.大地一成
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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