「勝手に生命保険検定 その3」解答と解説「勝手に生命保険検定 その3」 出題…勝手に「生命保険検定 その3」
ご愛読いただいている方、お待たせいたしました。 はじめてご覧になる方も、実際の生命保険の加入や見直しの際に参考にしていただければ幸いです。 また、保険の担当者に「こんなのがあるんだけど」とご紹介いただくのも一興かと思います。 リトマス試験紙としてご活用いただけるかもしれません。
1.生命保険の切替(解約→新規加入)について正しいものをひとつ選びなさい。
- 保障のダブりがないように、まずは既契約を解約してから新しい保険に加入し保険料の無駄が生じないようにする。
- 既契約を精査し、予定利率の高い終身保険や年金などは出来る限り残すようにする。
- 切替については、既契約を熟知している担当営業職員に相談するのがベストである。
ヒント 保障の継続性、予定利率、担当営業職員、この3つの事柄について誤解しやすい点が多々あります。一般的には常識と考えられていることが、生命保険業界では必ずしもそうではないケースが多いです。
答え:B 解説 Aについては、全くの反対で保障を多少ダブらせて途切れないようにするのが必須です。 保険契約成立まで一ヶ月を要するケースもあり、また最悪健康状態などで新契約が不成立になる可能性がゼロではないので、多少の保険料が二重払いになっても既契約を先に解約してはいけません。
Cについては、一見よさそうに見えますが全くお勧めできかねる方法です。 まず、大手国内生保におきましては、既契約の解約防止に遭うか転換をすすめられ、他社の商品については全くアナウンスされず丸め込まれるのが関の山です。 乗合代理店(複数扱っている代理店)であれば、契約が取れれば新規獲となりますので熱心にヒヤリングから提案まで行ってくれる可能性が高いです。 しかしながら、担当者の力量がプランニングの巧拙を大きく左右することは言うまでもありませんが。
正解となるBですが、営業担当者のなすがままにしていると過去の予定利率が高いお客様にとって「お宝保険」も意図的に、或いは営業担当者の認識不足のために消滅または変形(転換などによる)されてしまうので注意が必要です。
2.生命保険加入の際に、不適切なのは次のうちどれかひとつ選びなさい。
- 自営業者のため入院した場合の保障を厚くしたいが、各社加入できる日額に制限があるため、複数の保険会社で限度額まで加入して必要となる保障を確保した。
- 10年以上前に盲腸の手術を受け、その後完治したが、そのことを告知するのを忘れてしまった。
- 1ヶ月前から医師に緊急ではないが入院、手術を勧められたが自覚症状がないため断った。現状入院、手術の必要がなくなったので、今後に備えて生命保険の切替を検討する。
ヒント ほとんどの保険会社の告知書は「過去5年以内に・・」といる前提があります。
答え:C 解説 A:何十社も契約すると問題になる可能性がありますが数社であれば問題なく、実際に法人契約で経営者が利用するケースがあります。
B:ほとんどの告知書の場合「過去5年以内に・・・」という大前提があり、また医療機関においてカルテの保存義務は5年以内となっているため10年前の記録は残っていないことがほとんどのため、このケースで問題になることはありません。 但し、完治していることが大前提で、まだその当時の疾病で通院や服薬している場合は「不適切」となります。
3.生命保険の通信販売における対面販売との保険料の比較について、間違っているものをひとつ選びなさい。
- 若い女性の保険料は割高の傾向がある。
- 高齢者の保険料は割高の傾向がある。
- 非喫煙割引がないため、ほとんどの年代でタバコを吸わない人にとっては割高になる傾向がある。
ヒント 生命保険について通販が何でもかんでも保険料が安いというのは大きな間違いですが、ターゲットになりそうな年代辺りはかなり安くなっています。
答え:A 解説 通販の保険料の傾向として若い女性の保険料は、かなり安い傾向にありますが、歳をかさねるごとに、特に男性の保険料は割高になります。 「通販だからすべてが安い」というのは大きな間違いですので注意が必要です。 特に非喫煙の年配男性については、ソニー生命などの保険料が安いです。
4.転換制度について正しいものをひとつ選びなさい。
- 健康告知なしで行える。
- 「下取り」となるため、同条件で新規加入するより保険料が割安となる。
- 現状より高い予定利率のものはそのままの利率で継続できる。
ヒント 転換の契約自体の原則は「解約→新規加入」で、あくまでも別の契約となります。部分的に継続できることはありますが、配当の権利など限定的です。
答え:B 解説 A:転換の場合、配当の権利など一部を除き原則は新規契約と変わりません。 従って転換時の保険料はその年齢で計算されますし、健康状態についても全くの新規よりハードルは低くなりますが、健康告知は必要です。 C:Aと同じように、予定利率につきましても新規契約と同じ扱いとなりますので、現状の予定利率となり、既契約の高い予定利率は継続できません。
5.生命保険加入時における行動として正しいものをひとつ選びなさい。
- X社から健康状態により謝絶(最低2年間は加入不可)となってしまったので、どこの保険会社でも同じ条件での加入は無理であると諦める。
- 担当者が信頼できる人間であるので、自分に不利な保険は勧めないと考えてすべてを任せて保険に加入する。
- 告知書に書いてあることにきちんと答えれば、それ以外の事柄について答ええる必要はない。
ヒント 告知書も審査基準も各社統一ではありません。ただそのことを理解してお客様にきちんと説明できる営業担当職員は限られています。
答え:C 解説 A:特に通販で謝絶になった場合、もちろんケースによりますが、ソニー生命や損保ジャパン、きらめき生命で無条件または多少条件付で加入できることが実際に多々あります。 通販の場合は対面でないため細かいヒヤリングができないてめ「疑わしきはNG」が大原則ですので、告知書にひとつでも「はい」があれば引き受けないケースがほとんどです。
B:どんなに人間的にすぐれていても、信頼が置ける方であっても各社の保険商品や告知書にある程度精通していなければ最良の提案はできません。 「信頼できるこのひと(代理店)に保険のすべてを預ける」選択は心情的には理解できますが、そのかたちが必ずしの契約者や被保険者にとって最良ではなく、場合によっては最悪になることもありえると思います。
如何でしたでしょうか。 解説についても質問やご意見があればご連絡下さい。 下部の「しごとにん」の表示が連絡先にリンクしております。
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