注目商品 新ながいきくん(かんぽ生命)by杉山明(12)
7502 かんぽ生命
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終身保険 新ながいきくん【おたのしみ型】(かんぽ生命)
保険商品に関する情報
この商品の評価ポイント
- 貯蓄と死亡保障を兼ね備えた終身保険であり、特に、生存保険金が契約時に明示されているので貯蓄志向の強い女性向けの商品である
- 払込満了年齢が60 歳から75 歳まで用意されているので、状況に応じて積立期間を選択することができる
- 最終的には、必要最低限の死亡保障が残る仕組みである
この商品の注意を要するポイント- 仕組み図に掲載されいている倍額保障は、不慮の事故または感染症により死亡した場合のみ支払われるものであり注意が必要である
- 運用商品として考えたとき、実質的な利回りは1%程度になる
消費者側の注意点- 用意されている疾病傷害入院特約を付加すると、上記契約例で約2 万円保険料が上がる。入院保障は別枠で考えたい
保険商品に対するコメント商品戦略
かんぽ生命は民営化して、販売チャネルを複数化している。従来の、郵便局チャネルは、かんぽ生命の保険代理店といういう位置づけで個人顧客向けの保険商品の販売に特化している。一方、全国に約80 店あるかんぽ生命の直営店は、法人顧客を対象にビジネスを展開している。
法人契約は、一般に、大型保障になる傾向があるため、保険金額の上限がネックになるかんぽ生命だけでなく、日本生命やメットライフアリコなどから商品供給を受ける形態で営業を行っている。
簡易保険の時代から、伝統的に（特殊）養老保険、学資保険というイメージが強かったが、民営化後は終身保険が新契約を増加させているのに対して、養老保険や学資保険は契約が伸びていない。これは、低金利時代にあって保険の返戻率がよくないという消費者の判断もあるであろうが、逆ザヤに苦しむ保険会社が商品ポートフォリオの転換を図ろうと模索している面も否定できないであろう。
平成21 年度決算によると、基礎利益上の運用収支等の利回り（1.73%）に対して、（期中）平均予定利率は1.99%となっている。
つまり逆ザヤ状態にあり、その額は2,362 億円になると開示されている。かんぽ生命が目指そうとしているのは、(1)法人チャネルにおいては商品を外注化して手数料収益を求める(2)直販チャネルにおいては、逆ザヤの温床となっている貯蓄型商品から、収益の見込まれる第三分野（医療・介護）商品あるいは保障性商品への転換ということになるであろう。
商品分析
新ながいきくん【おたのしみ型】は、上記、かんぽ生命の商品戦略に即した、過渡的な商品と位置づけられるであろう。つまり、養老保険ほど貯蓄性は高くない終身保険であり、さらに、30 代〜40代の女性に焦点を当てた商品であると考えられる。
一般的に、女性は男性より、より確実に保険金が受取れる商品を好む傾向がある。各社の女性向け商品でも生存給付金がついているものが多く見られるのはそのためである。。
新ながいきくん【おたのしみ型】では、保険金額を取り崩す形で生存給付金を支払うようにしている。
もちろん、保険料の計算の上では、死亡保険金額の代わりに生存給付金を支払うわけではない。
所定の時期に生存給付金を受取るものとして保険料が計算されるため、他の条件が同じであれば、新ながいきくん【おたのしみ型】の保険料は、保険料払込満了年齢に合わせた養老保険の保険料よりは安く、生存給付金が支払われない終身保険の保険料よりは高くなっているはずである。
被保険者が90 歳で死亡すると仮定して、積立型商品として評価してみる（内部収益率を計算してみる）と、その利回りは1.09%となる。。
日本国債の利回りと比較してみるとその水準がよく理解できる。。
ただし、新ながいきくん【おたのしみ型】は、有配当商品であるため、将来契約者配当を受取るのであれば、結果的にこの利回りは幾分改善されたものとなる。
リスクを極力抑えて将来のために計画的に準備したいという消費者に適した商品と結論付けられるであろう。
2011年5月
 普通養老保険 新フリープラン(かんぽ生命)
養老保険 新フリープラン2倍(5倍)(かんぽ生命)
新ながいきくん(かんぽ生命)
新ながいきくん（おたのしみ型）(かんぽ生命)
新ながいきくん（ばらんす型「２倍」「５倍」(かんぽ生命)
普通定期保険(かんぽ生命)
注目商品 新ながいきくん(かんぽ生命)by杉山明(12)
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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