注目商品 Dream Cruise Plus(三井生命)by杉山明(33)
7641 三井生命
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Dream Cruise Plus(三井生命)「>Dream Cruise Plus」の分析保険商品に関する情報
この商品の評価ポイント
- 外貨建て保険でありながら、市場価格調整（MVA）が採用されていないシンプルな作りになっており消費者に理解しやすい
- 経済状態が安定した先進国の中で、相対的に金利が高い豪ドル建であるため、割安感がある
- 予定利率に対して最低保証予定利率（2.5%）が設定されている
この商品の注意を要するポイント
- 予定利率は15 年ごとに更改される仕組みである
- 将来、円高になると受け取る保険金や給付金の金額が、円建て換算で減少する
消費者側の注意点
- 為替差益を得ようとしてこの保険に加入するのであれば、所望の成果は得られないと考えられる
- 生存給付金付きの契約（Dream Cruise Plus）の生存給付金部分は保険でカバーする必要があるのか要チェック
保険商品に対するコメント商品戦略
三井生命は、2010 年、住友生命と共同出資（住友生命80%、 三井生命20%）でメディケア生命を設立した。
同社はインターネット 向け医療保険を販売する会社と位置付けられており、三井生命の販売チャネルはコン サルティングに特化した営業チャネルであることを明確化している。
営業チャネルは、直 販販売員、筆頭株主でもある三井住友銀行を含めた代理店チャネルさらにファイナン シャルアドバイザーを中心としたPPM などに分類されているが、チャネルごとの販売高な どは開示されていない。
商品構成上は、アカウント型商品を含む死亡保障を中心とした商品群と医療保険を 中心とした商品群がメインとなっている。
年金部門の商品数が少ないのは、変額個 人年金保険を売り止めにしたことの影響であろう。リーマンショック前、同社は変額年 金保険の販売に注力していた。
多くの変額年金保険を発売していたのであるが、 2009 年3 月にすべての変額年金保険を売り止めにしている。そのため、現在では 老後保障ニーズをカバーする商品が手薄になっていると推測される。
ディスクロージャー誌や中期計画を見ると、顧客に対するサービスには多くの紙面が割か れているが、商品の構成（Product Mix）についての言及は少なく、営業チャネル（Channel Mix）に対する言及はほぼないことが残念である。
商品分析
Dream Cruise とDream Cruise Plus（前者は終身保険、後者は生存給付金付終身保険、以下Dream Cruise Plus）の特徴は、日本初の平準払の豪ドル建て終身保険ということである。
ただし、この商品で注目すべきは、MVA（市場価 格調整機能）が付けられていないことである。MVA とは、市場の金利水準に応 じて、解約返戻金にペナルティーが科せられる仕組みである。
より具体的に話すと、 世の中の金利水準が上がってきたとき、保険契約者は保険を解約して、ほかの より金利の高い商品に乗り換えたいという衝動に駆られる。
そのときに保険を解約 するとペナルティーがとられる仕組みがMVA である。この機能、一般の保険契 約者に理解してもらうことは難しい。 外貨建て保険の仕組みと為替相場の関連をまとめると左図のようになる。
一時 払であったとすれば、保険契約者は保険料の支払い（= 契約の締結）は市場 のタイミングを見図って行うことが可能である。
そして、解約の時期も保険契約者 が決められる。よいタイミングで保険に加入して、よいところで解約することに一定 の歯止めをかけることがMVA の機能である。
一方、Dream Cruise Plus は平準払である。そのため保険料の支払いは（保 険料払込期間中に分散されるため）タイミングを計ることができない。
円高のとき も円安のときも定額の保険料を支払い続ける。ただし、解約については一時払 のときと同様に、保険契約者が望む任意の時点で可能ある。
入口（保険料の 支払い）にすでに制約が入っているので、出口（解約返戻金の受取り）でMVA という複雑な仕組みを導入しなくてよかったということになるであろう。
予定利率は15 年ごとに更改される仕組みであるが、最低保証予定利率（2.5%）が設定されているため、この利率を下回ることはない仕組 みである。
2013年4月
 ドリームクルーズ プラス(三井生命)
ドリームクルーズ(三井生命)
注目商品 Dream Cruise Plus(三井生命)by杉山明(33)
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。
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