女性疾病特約ってどんな病気が範囲?特約つけたほうがいい?
医療保障の内容を考える際、入院日額をいくらにするかを決めますよね。そこで、よく聞かれるのが、通常の疾病入院日額に上乗せして、女性疾病入院特約をつけるべきかどうかということです。
中には、女性疾病特約をつけないと、女性特有の病気では全く受け取れないと思っている人もいますが、一般的な医療保障で入院日額を設定していれば、そこからすべての病気やケガによる入院や手術がカバーされているので、女性疾病特約は上乗せ給付を必要とするかどうかという問題になります。 Q&A200412 「女性はどんな原因でどれくらい入院する?」で、女性が入院する割合の高い病名などがわかりますが、女性特有疾病のみでなく、成人病の割合なども高齢になるにつれて増えているようです。
ここでは、まず女性疾病特約でどんな病気がカバーされているのか、その範囲からチェックしてみましょう。
女性疾病特約でいう「女性特有の病気」の範囲って?
多くの保険会社では、以下のように女性がかかる悪性新生物、特定の良性新生物、特定の疾病を範囲にしています。美容整形上の処置・正常分娩などは対象外です。
なお、がんについては、女性疾病特約でも一般的に範囲に含まれています。もし、他にがん保険に加入している人場合は保障がダブってしまうことも考えられますね。
・悪性新生物
子宮がん・乳がん・胃がん・直腸がん・肝臓がん・肺がん・骨肉腫・白血病など女性がかかる悪性新生物のすべて
(ただし、上皮内がんを対象にしているかどうか、がん診断給付金では契約スタートから一定期間経過後でないと給付しないなど条件に差があります)
・ 特定の良性新生物・ その他の特定疾病甲状腺腫・クッシング症候群・卵巣機能障害・鉄欠乏性貧血・紫斑病・血小板機能障害・低血圧症・慢性リウマチ性心疾患・胆石症・胆のう障害・ネフローゼ症候群・慢性腎不全・膀胱炎・腎結石・尿管結石・乳房の障害・女性生殖器の障害・流産・妊娠の合併症・分娩の合併症・産褥の合併症・リウマチ性多発筋痛・慢性関節リウマチなど。
女性疾病特約では、どんな給付があるの? 女性特有の病気にかかった場合に、女性疾病特約から入院給付金が支払われます。よって、特約をつければ、通常の医療保障の入院給付金と合わせて受け取ることができます。 しかし、保険会社によっては、「女性疾病入院特約」と明記するなど、女性特有の病気による入院だけを特約からの給付対象とし、女性特有の病気による手術は含まれていないものもあります。その分、特約の保険料は割安になっているといえますが、手術の給付金は万単位になるので、手術までカバーされているのか、事前にチェックすることが大切です。
女性疾病特約でも、がんの給付があることは、先に触れましたが、がんについては責任開始期から3ヶ月経過してからが保障の対象になっています(中には、乳がんについては、責任開始期から120日以上と通常の待機期間よりも長めの条件を出している商品もあります)。また、がん入院給付については上皮内がんも対象としているところが多いようです。
女性疾病特約はつけたほうがいいの? このように女性疾病特約は、一般の医療保障に上乗せして給付されますが、その内容やカバーされる病気の範囲など、会社によって少しずつ異なっているので、事前にチェックは必要です。
そして保険料については、例えば、AFLACの終身医療保険「EVER」(終身払込)の場合、通常の入院日額5000円に女性疾病特約5000円分を上乗せすると、毎月保険料は、30歳女性で女性疾病特約625円分アップの2,345円になります。
一方、女性疾病特約なしの通常の入院給付日額だけの設定にすると、入院日額7000円分の設定で、特約をつけた場合に近い保険料負担の毎月2,408円になります。
特約をつけたほうがいいかどうかは、最終的には気持ちの問題です。歳をとっても長く続ける商品の場合、上乗せして給付を受けられる病名について、何歳になっても理解していればいいのですが、入院中にこの病気で上乗せが受け取れたかしら?…と不安に思ってしまっては本末転倒だと思います。
よって、私個人的には、特約などの上乗せにこだわるよりも、多少の保険料の違いなら、すべての入院・手術をカバーする医療保険の入院日額を充実させるほうが、何歳になってもわかりやすく、安心して続けられるのではないかと思っています。
マネーカウンセリングネットWealth ファイナンシャル・プランナーCFPR 吹田朝子 2005.4.30
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