期間10年の医療保険比較 最近、医療保険は終身保障タイプが注目されることが多いようですが、10年更新タイプにもリーズナブルな商品はあり、状況によっては利用価値があると思い、比較の対象としてみました。
今回は、1入院60日型の期間10年の医療保険で、保険料が比較的低いものをピックアップしています。
1入院60日型で、保険料が非常に安いのは、三井ダイレクト損保 保障内容が入院給付金と手術給付金がベースというシンプルな商品を中心に一覧にしてみたのが表1です。まず、入院給付金はほとんどが短期入院から対象となり、遜色ないといえますが、手術給付金の給付基準は、従来のように入院日額の10倍20倍40倍とは限らず、一律10倍や、5倍10倍20倍などと様々になっているのがわかります。
特に筆者の経験からも、手術を伴う入院が多いことと、手術給付金はまとまった額になることから、手術給付金の内容は必ずチェックして商品選びをしていただきたいと思います。保険料が安いと思っても、手術給付金の給付額が低めだったりすることもあるからです。
<表1>期間10年タイプの医療保険(1入院60日型)の毎月保険料比較
保険会社名 | 商品名 | 更新可能年齢 | 給付対象となる入院 | 通算限度日数 | 手術給付 | その他 | アメリカンホーム・ダイレクト | 私にうれしい医療保険 | 80歳まで | 1泊2日 | 1000日 | 5倍10倍20倍 | 右は入院と手術のみのシンプルな例、他に特約あり。 | アリコジャパン | てごろでがっちり入院保険 | 85歳まで | 日帰り入院 | 730日(生活習慣病は1095日) | 一律10倍 | 1入院は生活習慣病は180日限度、死亡保険金入院日額の100倍 | チューリッヒ保険 | チューリッヒの医療保険 | 100歳まで | 日帰り入院 | 700日 | 10倍20倍40倍 | 右の基本プランの他、充実プランあり。ネット申込で1年後キャッシュバックあり。 | 三井住友きらめき生命 | 新医療保険(低解約返戻金特則付) | 90歳まで | 日帰り入院 | 1095日 | 10倍20倍40倍 | 日帰りでも最低5日分の入院給付金。退院時に一時金10倍、先進医療技術料の補てんあり。 | 三井ダイレクト損保 | e入院保険スーパープラス | 80歳まで | 日帰り入院 | 1095日 | 10倍20倍40倍 | 右は、シンプルプランで入院が120日、180日、240日になったら、日額20倍の長期入院給付金あり。 |
保険会社名 | 毎月保険料例(入院日額1万円:1入院60日型) | 30歳男(上段) 30歳女(下段) | 40歳男(上段) 40歳女(下段) | 50歳男(上段) 50歳女(下段) | 60歳男(上段) 60歳女(下段) | アメリカンホーム・ダイレクト | 男女とも 2,304 | 男女とも 3,093 | 男女とも 5,073 | 男女とも 8,983 | アリコジャパン | 1,995 2,098 | 2,841 2,360 | 4,618 3,559 | 7,952 5,689 | チューリッヒ保険 | 2,220 2,510 | 2,880 2,690 | 4,510 3,680 | 8,210 6,150 | 三井住友きらめき生命 | 男女とも 2,967 | 男女とも 3,557 | 男女とも 4,937 | 男女とも 8,117 | 三井ダイレクト損保 | 男女とも 1,813 | 男女とも 2,215 | 男女とも 3,464 | 男女とも 6,761 |
(資料作成:表1表2ともマネーカウンセリングネットWealth 吹田朝子 、各社のホームページの保険料試算をもとに作成)
1入院60日型で、入院給付金の日額を1万円に揃えて保険料試算してみたところ、概ね保険料が低いのは、三井ダイレクト損保の「e入院保険スーパープラス」。男女の料率が同じなため、60歳女性など一部で、アリコジャパンの「てごろでがっちり入院保険」や「チューリッヒの医療保険」のほうが安いという年齢はありますが、その他の年齢ではほとんどダントツの安さといえるでしょう。
これは、三井ダイレクト損保の医療保険がインターネット専用で、かつ保険料支払いもクレジットカードによる毎月引き落としに統一し、業務コストを抑えたことによる部分が大きいと思います。その保険料負担水準でも、手術給付金は手術の種類に応じて入院日額の10倍20倍40倍という給付内容ですし、しかも、入院が長期になった場合に、120日目、180日目、240日目に、入院日額20倍の長期入院給付金が自動的についているのも魅力といえるでしょう。
70歳まで更新すると仮定した場合の保険料負担合計は? ただし、期間10年タイプのデメリットは、契約後10年たって同じ内容で更新する際に、保険料が年齢に応じて再計算されて上がってしまう点です。
そこで、仮に今の保険料水準で、70歳まで更新したと想定して、上記三井ダイレクト損保の「e入院保険スーパープラス」の保険料負担合計を試算し、終身医療保険で保険料が安いオリックス生命の「CURE」の基本プラン(入院給付金と手術給付金一律20倍、7大生活習慣病は1入院120日)と比較してみました。
<表2>10年更新医療保険 VS 終身医療保険
三井ダイレクト損保 「e入院保険」 入院1万円 1入院60日型
| | 毎月保険料 | 70歳まで更新時 の保険料計 | 30歳男 | 1,813 | 1,710,360 | 40歳男 | 2,215 | 1,492,800 | 50歳男 | 3,464 | 1,227,000 | 60歳男 | 6,761 | 811,320 | オリックス生命 「CURE」 入院1万円 1入院60日型 終身払 基本コース
| | 毎月保険料 | 70歳まで継続時 の保険料計 | 30歳男 | 3,380 | 1,622,400 | 40歳男 | 4,730 | 1,702,800 | 50歳男 | 6,850 | 1,644,000 | 60歳男 | 10,140 | 1,216,800 |
この表2の試算は、あくまで現状の保険料率のもとで更新したもので、更新時の将来の保険料負担は確定ではありませんが、40歳〜70歳、50歳〜70歳、60歳から70歳の合計は、終身医療保険よりも10年更新のほうが保険料負担合計が低く抑えられる可能性があると思います。
特に50歳以降で契約する場合は、10年更新のほうが保険料負担はかなり軽くなる可能性があり、一生の保障ではなく、70歳台程度まででいいからリーズナブルに抑えたいという場合には、10年更新の医療保険も十分利用価値があるのではないかと思います。
2007年11月
ファイナンシャル・プランナー(CFP) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 吹田朝子
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