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注目商品 あいぷらす・たすけあい(CO-OP共済)by古川悦子(44)

7538  COOP共済

CO・OP共済《あいぷらす》・《たすけあい》(コープ共済連)


今回は、前回に引き続きCO・OP共済商品を取り上げることにしました。

前回は、新発売された《終身共済》の商品性、および終身共済の移行制度について解説しました(前回記事⇒「終身共済(CO・OP共済)」)。

そして、今回は、《あいぷらす》と《たすけあい》の商品性(保障内容・取扱内容等)、並びに《あいぷらす》・《たすけあい》それぞれの移行制度についても確認することにします。なお、《あいぷらす》・《たすけあい》・《終身共済》の共通した取扱内容については、前回の記事に載せています。

《終身共済》・《あいぷらす》・《たすけあい》は、ともに日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)が契約引受団体となっています。なお、《たすけあい》は、加入の生活協同組合(生協)によっては、その生協の加盟する連合会との共同引受となります。

@ 《あいぷらす》の保障内容・取扱内容


(「生命保障」+「医療特約」+「がん特約」の場合)   


【仕組み・特長】

「生命保障」(病気・ケガによる死亡保障)を基本契約とし、必要に応じて「入院特約」(医療保障)と「がん特約」(がん保障)を付けることができます。「生命コース」(生命保障)と「入院付生命コース」(生命保障プラス入院特約)の2つのコースがあり、それぞれのコースには、がん特約を付帯することができます(がん特約は重複して加入できない)。

したがって、組み合わせパターンは4種類あります。ただし、満59歳以下の方は、生命保障300万円のみの申込みはできませんので、その場合は入院特約またはがん特約を付けることになります。

<組み合わせパターン>
◆「生命保障」
◆「生命保障」+「入院特約」
◆「生命保障」+「がん特約」
◆「生命保障」+「入院特約」+「がん特約」

【保障内容】

生命保険の定期保険(死亡保障)の保障内容と似ています。付加できる入院特約とがん特約ともに保障の種類(入院・手術など)を絞っており、シンプルで分かりやすい内容となっています。また、保障の種類は少ないながら内容は充実しています。そして、基本契約と特約の組み合わせることができるので選択肢を広げることができます。

上記<表@>を補足すると、がん入院日とがん通院日が重複したときは、がん通院共済金は支払われません。

【加入限度額】

〔既契約《あいぷらす》と合算する場合〕(範囲内であれば複数加入可)

*年齢に関わらず、「加入に制限がある職業」の方の加入限度は、死亡・重度障害共済金額は500万円、病気・ケガの入院共済金は日額5,000円までとなる。ただし、共済金額を増額する申し込みをする場合は、既契約の共済金額といずれか大きい額まで加入できる。

*更新・更改の申し込みをする場合は、既契約の共済金額といずれか大きい金額まで加入できる。
〔他のCO・OP共済の契約と合算する場合〕については、前回の記事にて記載済みです。

【健康診断書の提出】(新規・更改)


*既契約の《あいぷらす》がある場合(ゴールド80を含む)は合算した金額で判断。

【がん特約の共済金の指定代理請求制度】

指定代理請求制度とは、契約者にがん告知がされない場合に備えて、契約者に代わってがん特約のすべての共済金を請求できる方(指定代理請求人)をあらかじめ決めておく制度です。

指定代理請求人は、加入申込時、更新・更改を含めいつでも契約者が指定・変更可能です。指定代理請求人(1人に限り指定)の範囲は、(1)契約者の配偶者、(2)契約者と同居または生計を共にする、契約者または配偶者の3親等以内の親族、(3)(1)、(2)以外の契約者の3親等以内の親族となります。

A 《たすけあい》の保障内容・取扱内容


(入院日額5,000円の場合)

*各コースのアルファベットのついた数値が月掛金(J1900円コース→月掛金1,900円)
【仕組み・特長】

最高満80歳の満期日まで継続できる10年更新型の定期生命共済です。《あいぷらす》や《終身共済》とは異なり、保障の種類がセットされ、掛金が一律となっています。共済商品の特長的な保障の設定といえます。
「ジュニア18コース」・「女性コース」・「医療コース」・「ベーシックコース」があり、それぞれのコースは、任意で個人賠償責任保険に加入することができます。また、コースにより、家族や親・扶養者の死亡・重度障害と住宅災害の保障が付いています。

【保障内容】

死亡・重度障害、医療、住宅災害まで幅広く保障されています。また、家族や親・扶養者の保障が付いている、あるいは個人賠償責任保険を付けられるなど、加入者本人だけでなく、家族全員の保障に対応した保障内容となっています。

上記<表A>を補足すると、病気入院共済金・女性特定病気入院共済金は、入院1日目から(日帰り入院)支払対象となり、「1日の病気入院(日帰り入院)」については、疾病短期入院見舞金規定により支払われます。入院・通院期間中に契約を変更し、共済金額に増減が生じた場合は、変更前後で共済金額の少ない額により支払われます。

事故(ケガ)通院共済金は、入院期間中にケガ通院をした場合は支払われません。また、骨折などケガの治療のため、ギブス、副木などの固定具(包帯、サポーター、テーピング、ばんそうこう、松葉杖などは含まない)の常時装置(医師の指示により日常生活において装着する場合)により平常の生活・業務に著しい支障があると契約引受団体が認めたとき、『(入院・通院をしていない固定具装着日数)×0.5日分』が通院日数に加えて支払われます。ただし、入院期間・通院日と固定具装着日が重複している場合は二重に支払われません(手の中指・薬指・小指、足指、鼻、歯のみの固定、体内固定の場合は支払対象外)。

「親死亡・親重度障害共済金」と「扶養者事故死亡・扶養者事故重度障害共済金」は、それぞれの共済事由に該当した場合、重複して支払われます。

住宅災害共済金は、損害の程度に応じて、所定の共済金が支払われ、火災共済・火災保険のように損害を補てんするものではありません。次の表の住宅災害の損害の区分により、コースごとに支払われる共済金額があらかじめ定められています。

※被共済者が居住する住宅とは、被共済者が日常生活を営むために居住している住居で、自家、借家、借間を問わない(集合住宅・借間の場合は被共済者の占有部分を対象とする)。

※焼破損割合は建物(付属設備を含む)または家財ごとに計算し、いずれか大きい割合を採用する。
※通貨、貴金属、自動車、家畜、営業用の器具や商品などは損害額算出の対象にならない。
なお、住宅災害保障部分については、保険料控除の対象外となります。そして、個人賠償責任保険は、損害保険料控除の対象外です。

ちなみに、<図表A>の日額5,000円のコース以外に、次のコースがあります。
〔ジュニア18コース〕
J1000円コース(日額6,000円)、J2000円コース(日額10,000円)
〔女性コース〕
L2000円コース(日額3,000円)、L4000円コース(日額8,000円)
〔医療コース〕
V1000円コース(日額2,000円)、V4000円コース(日額10,000円)
〔ベーシックコース〕
R4000円コース(日額7,000円)
*加入者(被共済者)1名につき1コースを選択(重複加入はできない)。

【加入限度額】

〔他のCO・OP共済の契約と合算する場合〕

*《たすけあい》女性特定病気入院共済金、《あいぷらす》がん入院共済金は含まない。

【協会所定の診断書が不要となる場合】

《たすけあい》では、ケガをして実通院日数が50日以内の場合(手術共済金の請求がない場合)、「医療機関の領収書」(コピー可、ケガをした方の医療機関名・全通院日の日付がわかるもの)または診察券とレシート(ともにコピー可)で請求できます。

*実通院日数50日超、手術共済金がある場合、事故(ケガ)入院共済金が10万円超、病気入院共済金が6万円超の場合(病気入院の開始日が、申込日から2年を超えている場合は、共済金の請求額が10万円超となる)は、診断書が必要となります。

また、《たすけあい》では、支払内容により、告知事項を「現在入院中」と「医師から、今後入院または手術をしたほうがよいといわれている(入院・手術の時期が1年以上の場合は除く)」に該当しないか問われるだけとし、加入条件を緩やかにしています。

B 《たすけあい》満65歳以降の保障


[健康状態(健康告知不要)に関わらず移行できる]   

※詳細は、ご契約のしおり等で確認のこと。
一般的に、共済商品は保障期間(一定期間)終了後も保障を継続したいときは、「移行」などの方法をとっています。ただし、保障の種類が限定される、あるいは保障金額が少なくなるなど保障内容が変わる場合が多くなっています。

「移行」の内容を理解するにあたって、CO・OP共済でよく使われる以下の共済用語の意味を確認しておきましょう。この場合に限らず、加入中あるいは検討中の商品に関係する用語の意味を理解しておくことが必要です。

◎「更新」・・・共済期間の終了後、引き続いて被共済者を変更せずに契約を継続すること。
更新には、自動更新(申し出がない限り、自動的に更新)される場合と、更新手続きが必要となる場合があります。

◎「更改」・・・共済期間中に、保障内容等(あるいはコース)を変更して、再度契約をすること(被共済者は変更しない)。共済期間の途中で契約を解約すると同時に、新たに申し込みをすることになります。

◎「移行」・・・例えば、《たすけあい》からゴールド80に移行する場合<表B参照>、《たすけあい》の年齢満期時に、《たすけあい》を解約すると同時に、引き続いて被共済者を変更せずにゴールド80に申し込みをすることをいいます。

移行には、満期時に移行する場合と、一定期間後に移行できる場合があります(《終身共済》に移行の場合など)。

掛金については、更新・更改・移行時の満年齢で再計算されます。また、更新・更改時に共済金額を変えない場合(満期更新など)、あるいは減額(一部解約)・増額する場合は、いずれも健康告知が必要ですが、共済金額を変えない場合、または減額する場合は告知事項等に該当する場合であっても契約を更新・更改できます。増額する場合は、告知事項等に該当すると、契約を更新・更改できない場合があります。

1入院の支払限度日数や各長期入院共済金の270日目の計算起算日については、更新・更改・移行後の入院日数を含みます。ただし、ゴールド80に移行した場合、750日分の支払限度は、ゴールド80の共済期間のみの日数を通算します。

《あいぷらす》と《たすけあい》を満期終了後も契約を継続するには、それぞれの商品により決まった方法があります。(1)発効日(保障が開始される日)から満期を迎えるまで、(2)満期終了後に契約を継続する場合の取り扱いを挙げてみました。

■《あいぷらす》



(1)満期を迎えるまで

契約が満期(共済期間10年)になる前に、契約者に満期通知と更新のご案内が届きます。契約を更新する場合には手続きが必要となります。更新の手続きをしない場合は満期日をもって契約は終了します。
また、満80歳の満期日まで保障を継続するには、満70歳時に契約を更新・更改する必要があります。満71歳から満79歳で満期を迎えた場合は、契約は終了し、更新することはできません。生命保険商品のように、満期前は期間を変えて更新するといった取り扱いはないようです。

(2)満期終了後も契約を継続する場合

〔満85歳まで保障を継続〕
最高85歳まで保障を継続できるコースに更新できます。満80歳の満期日の3〜4ヵ月前に、健康状態を問わず更新できるコースのご案内があるので手続きをして更新します。掛金、および加入の共済金額によっては保障内容が変更になります(増額はできない)。
共済期間は1年で自動更新されます。なお、がん特約は満80歳で終了し、継続できません。

■《たすけあい》



(1)満期を迎えるまで

共済期間1年となっており、保障期間(各コースの契約が継続できる期間)中は、契約者から申し出がない限り、被共済者の健康状態に関わらず自動的に契約は更新されます。

(2)満期終了後も契約を継続する場合


満65歳満期以降も保障を続けたい場合は、《あいぷらす》ゴールド80(満80歳まで保障)、《たすけあい》シルバー70コース(満70歳まで保障)、《終身共済》(一定の条件を満たす場合)に移行する方法があります(《終身共済》の移行制度については前回の記事を参考)。

ゴールド80とシルバー70コースに健康状態に関わらず移行できます。そして、ゴールド80に移行の場合、満80歳の満了以降は最高満85歳まで継続できるゴールド85に更新できます。なお、ゴールド80に複数加入すること、がん特約を付帯することはできません。

ゴールド85は、満80歳〜満84歳まで加入可能(新規加入不可)、共済期間は1年で申し出がない限り、満85歳の満期終了時まで自動更新されます。掛金の払込方法には月払と年払があります。シルバー70コースは、70歳の年齢満期時(保障期間終了時)は、保障は終了し、契約を継続することはできません。

ゴールド80に移行する場合は、「ゴールド80満期移行申込書」の提出が必要です。いずれにしても、年齢満期日(保障期間終了日)の3〜4ヵ月前には、継続できるコースについて郵送にてご案内があります(掛金・保障内容は変わる)。

ゴールド80、ゴールド85、シルバー70コースともに、死亡・重度障害、入院保障(シルバー70コースには住宅災害保障付き)のみのシンプルな保障内容となっています。ただ、ゴールド80・ゴールド85は、《たすけあい》からの移行の場合に活用される商品です(《あいぷらす》からの移行の場合ではない)。また、《たすけあい》とは別の共済商品だということを理解しておく必要があります。主な注意点を以下に挙げました。

〔移行契約についての注意点〕



◆《たすけあい》の共済期間中に指定した死亡共済金の受取人について
契約を更新、更改した場合は、受取人の指定および変更の内容は引き継がれます。ただし、《たすけあい》からの移行契約の場合は、移行後に引き継がれないので死亡共済金受取人を再度指定することが必要です。ちなみに、この場合に限らず、死亡共済金受取人は、契約者を変更する場合は指定の効力を失うため、再度指定する必要があります。

◆《たすけあい》の共済期間中から継続する入院・手術・事故(ケガ)通院について
《たすけあい》の当初の満期日以後の期間も、《たすけあい》の共済期間中の入院・手術(入院共済金が支払われる期間中の手術)・事故(ケガ)通院とみなし、支払対象となります。
《たすけあい》からの移行については、《たすけあい》の満期日より前にゴールド80に移行し、《たすけあい》は移行とともに解約となります。ただし、《たすけあい》の保障内容は、解約日以後の共済期間についても、《たすけあい》の当初の満期日まで継続します。

◆ゴールド80の発効日をまたいで《たすけあい》の共済期間から入院が連続している場合
《たすけあい》の入院期間とゴールド80の入院期間を通算して、最高184日分まで支払われます。また、《たすけあい》の入院開始日から連続して270日以上の入院をした場合は、《たすけあい》の共済期間中の入院とみなし、疾病・災害長期入院共済金が支払われます。

C 《あいぷらす》の掛金の比較 <単位:円>   別紙の通り<表C>

年齢が高くなるほど、掛金は割高になります。また、生命保障において、女性と男性の掛金の差額が大きいことが分かります。

D 《あいぷらす》OR《たすけあい》に向いている方
《あいぷらす》は、死亡保障や医療保障を簡単に備えておきたい方に向いています。また、生命保険商品の上乗せ保障としても活用できます。生命保障、医療特約、がん特約の組み合わせが可能なので見直しにも便利です。
《たすけあい》は、割安な掛金で幅広い保障、また家族の保障まで期待したい方に向いています。掛金一律という分かりやすさも魅力の1つです。

そして、《あいぷらす》、《たすけあい》ともに、当面は手頃な掛金で備えておいて、時期をみて契約の継続(更新・更改・移行契約の活用)を考えたいというニーズに合っています。

2011年9月




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