2000万円の建物に2000万円の火災保険をつけることもできますし、1200万円の火災保険をつけることもできます。つまり2000万円の建物の価額の60%相当の1200万円の火災保険ならどうなるのでしょうか。
火災となり全焼したならばいくらの保険金が支払われるのでしょうか。2000万円の保険金をつけていれば2000万円です。1200万円火災保険の場合は1200万円です。ここまでは間違える人はいないでしょう。
火災による損失額が建物価額2000万円のうち50%の1000万円だったらどうなるでしょうか。2000万円の火災保険ならば1000万円の保険金です。1200万円の火災保険だったらどうなるのでしょうか。
損失額は1000万円です。1200万円の火災保険ですから、1000万円は1200万円より少ない金額です。だから1000万円の保険金がでるように考えてしまいますが、それは違います。
全損ではなく一部損害の場合にはその損害額に対して保険金を付保割合に比例して減額された金額が保険金になります。
損害額1000万円×契約保険金額1200万円/建物価額2000万円=600万円。
つまり保険金は600万円にしか過ぎません。(これを「一部保険」といいます。)
では建物価額が2000万円にもかかわらず、2倍の4000万円の契約がなされていたとすればどうなるでしょうか。
この考え方ならば損失額が1000万円にもかかわらず2倍の2000万円の保険金となりそうです。しかしそれは認められません。保険金の上限は実際の損害額の1000万円となります。(これを「超過保険」といいます。)
損失額をすべて火災保険でまかないたければ必要な金額の保険に入らないといけませんし、余分な保険(超過保険)にはいっても超過部分の保険料は無駄となります。つまり契約する保険金額をきっちり定めるとが大切です。
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