第一生命は「買い」か? byしごとにん(78)第一生命

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第一生命は「買い」か? byしごとにん(78)

7433  第一生命

4月1日に日本で初めて相互会社となった第一生命保険が株式会社となり、東証一部に上場しました。

契約者に株式の割り当てがあり、株券や現金を貰う方がいたり、NTTを抜いて一番多くの株主を持つ会社となるなど大きな話題となっています。

本業の評価は?


東証一部上場に大企業であれば、メーカーならその商品の性能や売上や利益などが第一義的に来て、それによって株式が売買されて株価が決まってきます。

また自動車メーカーであればリコールの発生や、食品メーカーであればその安全性が疑われれば大きく株価に影響してきます。

そこで第一生命ですが、その商品性や販売体制などはどのように評価されるのでしょうか?

業界関係者つまりプロの評価では「堂堂人生」の評価は高くなく、実際にいい商品であるとは思えません。

しかしながら発売から焼く10年間も業界第二位の大手国内生保で主力であるわけですから、それなりの理由があると思います。

また、以前のこのコラムでも書きましたが、昨年は大手国内生保のシェアがわずかではありますが増えております。

そこで今回は、第一生命の東証一部上場を記念して、その主力商品である「堂堂人生」を検証してみたいと思います。

保障の内容


「堂堂人生」の保障の内容は悪くありません。コストパフォーマンスを度返しすればかなり充実していると思います。
具体的に第一生命のHPにあるデジタルパンフレットの事例を見てみます。
デジタルパンフレット



堂堂人生(5年ごと配当付終身移行保険)概要

【主契約】更新型終身移行保険
掛捨ての10年定期保険と生存給付金(堂堂ファンド)をひとつにしたもので指定年齢にて終身保険に移行できる

【特約】シールド
三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)で所定の状態になるか死亡すると給付される

【特約】スーパーリライ
病気またはケガで所定の状態(ペースメーカーや人口肛門などを恒久的に必要とする状態)になるか死亡すると給付される

【特約】インカムサポート
上記のシールド、スーパーリライの状態に該当するか、所定の高度障害になった場合に終身に渡り年金が給付される

【特約】保険料払い込み免除特約
上記のシールド、スーパーリライ、インカムサポートに該当する状態に該当した場合、以後の保険料の支払は免除となり、契約も指定年齢まで継続して終身保険に移行できる

【特約】医の一番
120日型の医療保険

【特約】入院一時給付特約D
入院時に一時金を給付

(特約もすべて10年更新となります)




デジタルパンフレットの事例では35歳男性で指定期間65歳で主契約は堂堂ファンド20万円、死亡保障は定期部分1200万円、年金部分240万円×5年と特約がシールド500万円、スーパーリライ300万円、インカムサポート年額120万円、入院日額1万円、入院一時金5万円で月保険料が23,239円となります(保険料払い込み免除付加)。

現実的にどうなのか


保障内容は充実していると思います。
但し期間限定で、加入から更新までの10年間だけです。
期間中にインカムサポート支給に該当すると、保険料は免除となりすべての保障は指定年齢まで継続してその後終身保険となり、年金が終身に渡り120万円もらえます。(シールドに該当なら500万円、スーパーリライ該当なら300万円が一時金として支給されます)

期間内に死亡した場合はインカムサポートの年金は120万円の一回だけとなりますが、主契約の純粋な死亡保険金とシールド500万円とスーパーリライ300万円も死亡保険金として支給されます。

デジタルパンフレットの事例のように上皮内がんでないがん(ここでは肺がん)に罹患した場合はシールドに該当して、同時にインカムサポートに該当するのでシールド500万円と終身年金120円がもらえた上で保険料が免除になり、がんが治癒しても支給が減額されたり止まることはありません。

ここまで書くといいことだらけのようですが、逆に言うとそれ以外はデメリットだらけになります。

まずは同じ保障を継続した場合の10年ごとの更新の保険料(月額)を見てみましょう。

  • 35歳から10年間:23,239円
  • 45歳から10年間:41,840円
  • 55歳から10年間:77,559円


倍々とまではいきませんが大きくアップします。

もちろん、お子様の成長もあるので30年間同じ保障が必要とはならず、当初と同じ保険料程度を目処に死亡保障を減額すれば済む、と考えられます。

しかし、現実的にはかなり制限があります。

まず生存給付金である「堂堂ファンド」ですが、これについては更新ごとに金額を15%アップさせなければなりません。
ですのでこの部分の保険料は増加します。

また、第一生命(に限りませんが)においては死亡保障の削減に制限があり、最低限維持しなければならい金額があります。
死亡保障を兼ねたシールドやスーパーリライだけ残して主契約をファンドだけにすることは不可ですので、充実していたはずの特約を減額するか消去しなければならなくなります。

同じ理由でインカムサポートも一定の主契約がなければ継続できませんので、本当に必要性を感じる50代以降維持するのはかなり難しいと思います。

また、反対に主契約の死亡保障を下げすぎると医療保険の日額が維持できなくなります。
同じように社内規定により、1万円の日額を維持するには5千万以上の死亡保障が必要となりますので、死亡保障を下げると入院日額を下げなければなりません。

つまり現実的には、そのままであれば保険料が倍近くになるわけですから、死亡保障を減らせばいい・・・しかし入院保障は下げたくない、となればその他の充実していたはずの特約をはずすしかない・・・ジレンマに陥ります。

さらに2回目の更新時になると更に保険料はアップしますので選択の幅が狭まり、特約はほぼ全滅となるでしょう。

ここで言いたいことは、パンフレットにも約款にも書いていない「社内規定」が立ちはだかることです。

ファンドは更新ごとに15%アップすることは小さくパンフレットにありますが、最低保険金額の設定や死亡保障額と特約とのリンクなど、毎年でも保険会社が勝手に変更できる「社内規定」が存在し、それがほとんどオープンになっていないのが現状です。

将来的にお客様に有利となる「社内規定」の変更もありえますが、現状のパターンにおいては上記したようなことになる可能性が極めて高いと言えます。

まとめ


上記しましたように「堂堂人生」については更新する前の10年間に被保険者が死亡するかインカムサポートに該当する以外はかなり苦しい保険商品です。

当初の内容、特にインカムサポートなどの特約が現実的に維持できるのであればいい商品と言えますが、大幅な保険料アップと「社内規定」により、更新後の維持はかなり難しいことが落とし穴だと思います。

保険募集の現場では、保険料払い込み免除とともにインカムサポートなどの特約のメリットを前面に出し、10年ごとの更新による保険料アップも「保障を下げれば保険料はそのままで大丈夫です」と訴えて新規または転換の契約を取っているのでしょう。

特約の内容も保障を下げれば保険料は上がらないことは嘘ではありませんが、お客様に不利益となりえる「社内規定」を知らせずに募集行為をしているのが第一生命、ならびに国内生保の実態です。

海外におけるM&A戦略やシンクタンク、機関投資家としての機能など評価する側面はいろいろあるとは思いますが、本業の生命保険商品やその販売方法を見る限り第一生命は「買い」ではありません。

2010年4月


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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。


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