医療保険など不要?…長期入院リスクに備えるライフネット生命

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生命保険■独断解説

医療保険など不要?…長期入院リスクに備える

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私(当サイトの管理人)には骨折して約60日入院したつらい思い出があります。

自営業には収入のバックアップがなかなかよういできていません。私も自営業者なもので、60日も収入の道も閉ざされると生活そのものが壊れはじめるということを実感しました。長期間仕事ができないと生活が破綻してしまいます。入院があと1-2ケ月長引けば一体どうなったことか…。

入院保険と死亡保険の違い



入院したとき頼りになるのは、「医療保険」です。「医療保険」には、公的な保険と民間の生命保険会社が販売する保険商品があります。

民間の「医療保険」の商品では、1回の入院に対して支払われる「入院給付金」の限度が設定されていて、短期間になるほど保険料が安くなる仕組みです。

以前は120日とか180日が多かったのですが、近頃の医療保険商品の主流は60日型になってきたようです。一入院で限度60日まで入院給付金がでる保険です(61日目からはでません)。さらに、保険料を割安にするために、30日型の「医療保険」も出現しています。

医療が進歩した現代は、入院した場合、ほとんどが60日以内で済む‥という統計があるように、長期入院は少なくなっています。実際、多くの入院が60日型でまかなえるのでしょう。

さて60日入院するといくら給付金がでるでしょうか。

入院日額を5,000円で「医療保険」に契約していた場合、60日入院すれば30万円、手術を受けた場合はその手術給付金もでますからと合計で最大50万円といったところでしょう。日額を1万円にすれば100万円…つまり、100万円の預金などで余裕となる自己資金があれば60日型の「医療保険」はいらないのです。逆にそれだけの手元資金がなければこの医療保険は必須なのです。

これが医療保険と死亡保険の違うところです。死亡保障に必要な1000万円2000万円といったを大きな金額は、それだけの手元資金がないから生命保険に頼るのです。でも医療保険のように手元資金で賄える金額だとしたら、なんで生命保険に頼るのでしょうか。

そしてたしかに「ほとんどの場合」は60日以内で退院するのでしょう。しかし私が入院した病院には60日入院した私よりもっと長期の入院患者がゴロゴロいました。本当に保険が必要なのは例外とされる長期入院ではないのでしょうか。

60日を超える超長期の入院は手元資金では耐えられなくなります。まさにそうした時に保険が必要なのではないでしょうか。

本当に医療保険が必要なのは、統計上は少ないケースである長期入院です。2ヶ月を超えて入院した場合、60日型の「医療保険」では最初の60日までの「入院給付金」しか支払われません。

一方で、60日までは免責で61日目から保障される「医療保険」も発売されるようになりました(アメリカンホーム「入院ing365」 )。最初の60日が保障されない分、保険料は安くなっています。つまり60日までの入院については保障を我慢してもらうからその分保険料を安くするよ、ということなのです。

アメリカンホーム・ダイレクトの保険料見積もり

アメリカンホームのザ・医療保険 入院ing365



医療保険の根本的欠点と所得補償保険



「医療保険」では、退院してしまうと給付がなくなります。これは、「医療保険」の根本的な欠点と言えます。仕事はできない状況のまま自宅療養に移る場合です。

この「医療保険」の欠点を補っているのは、「所得補償保険」です。この保険がホショウするのは「保障」ではなく「補償」…つまり、入院したことなどによる所得の損失を補うための保険です。

「所得補償保険」は、生命保険保会社ではなく損害保険会社の商品です。

「所得補償保険」で補償される期間は、通常で最長2年間です。退院してもまだ働ける状態でなければ、最長で2年間にわたり、毎月一定額の給付金が支払われます。自宅療養中の生活費や住宅ローンなどが補償されるわけです。

長期所得補償保険

2年までは「所得補償保険」で大丈夫。では、2年を超えても働けなかったら?。長く入院した経験があるとそんなことを考えてしまいます。

死んでしまえば生命保険の死亡保険金がでます。働けないまま自宅療養がずっとずっと続いたらどうしましょう…。

そのときに役立つ「長期所得補償保険」があります。

日本でこの商品を販売しているのは日立キャピタル損害保険というマイナーな保険会社でした。「長期所得補償保険」では、働けなくなった期間の最初の60日まで免責で、61日目から毎月給付金が支払われます。補償される期間は、最長60歳までです。働けないまま自宅療養がずっとずっと続いても60歳まででるのです。

同商品のパンフレットによると…33歳のある営業職が帰宅途中に橋から転落、全身打撲で意識障害となり、以後9年以上にわたり給付金の支払いが続いている…とのことでした。

日立キャピタル損保の長期所得補償保険


そして、同じくマイナーなネット保険会社、ライフネット生命保険が2010年2月に発売した「就業不能保険」では、免責期間が180日です。181日目から最長65歳まで、給付金が支払われます。

給付金月額を20万円とした場合、30歳男性の月額保険料は3,642円です。40歳から働けなくなってしまい、65歳まで25年間給付金を受け取れば、その総額は6,000万円になります。

ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険」


公的社会保険制度では、サラリーマンが就労不能になった場合、1年6ケ月は傷病手当金が支給されます。この「就業不能保険」では、その1年6ケ月が免責です。「181日目から」ということは、これが過ぎると給付金の支給がはじまります。

また、65歳になると、公的年金受給が開始されます。年金を受け取れるわけですから、「就業不能保険」からの給付は「最長65歳まで」で終わり‥という商品設計のようです。

働くことができず、超長期にわたり収入が無いのは苦痛です。なんで日本の大手保険会社はこのような長期所得補償保険を販売してくれないのでしょうか。

医療保険不要論



さて考え方はいろいろあるでしょうが、自己資金に100万円の余裕資金があるならば、60日型の「医療保険」は不要だと思います。日帰り入院の給付金がでる保険などもっと不要です。必要の無い保障は、必要以上に保険料を高くするのが事実です。もっとも、「日帰り入院から保障!」‥といったキャッチコピーに魅力を感じる人が多いのも、事実のようですが…。

私の場合には60日までなら耐えられると思います。それなら60日までの保障には目をつぶってそれより長期の保障・補償に保険料を支払います(もっとも現実には保険料の安さに目が行って60日型にも入っていますが)。

なお入院時の保障について「病院でいくらかかるか」ばかり気をとらわれていますが、私の経験ではそればかりではありません。自営業かサラリーマンかにより大きく違いますが、生活費や看護に当たる人の事情等…。場合によっては差額ペット代…。

入院中の病院のベットで夜中に体中汗をかいて目が覚めたことが何度もありました…家賃が払えない夢、事業の経費が払えない夢…。そんな夢が続く状況では治る病気も治りません。特に自営業であれば「自分がいなくても何とかなる金額」を頭の片隅に置いておかなくてはいけません。それは医療費の何倍にもなると思います。

医療保険ばかりでなく所得補償保険にも目を向けましょう。

なお「60日までの医療保険不要論」は意見の分かれるところです。よーく、考えてみて下さい。また逆に手元余裕資金がなければ医療保険は必須ともいえます。

2010.3. 保険選びネット管理人


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そもそも医療保険は必要か。
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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。


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