前回がんになると困ってしまうがん保険?も同じ表題でお話しさせていただきました。
前回の結論として、多少保険料が高くなっても、がん保険と普通入院保険は別々に加入すれば、将来「がんになると困ってしまうがん保険」という状況は避けられます、とお話ししました。
ここで、ひとつだけ大事なことを確認します。
前回、そして今回もそうですが、がん保険、入院保険とも一生涯の保障がとれるものを前提にお話ししております。
必ずしも、一生涯の医療保障が誰にでも必要であるとは限りませんが、現場でお客様とお話しする限り、一生涯のものを希望する方が大多数を占めます。
一生涯の保障を確保しておけば、やめる権利はお客様にありますが、特約などによく見られる定期型(○年、○歳など)は、継続の権利が保険会社にもあり、健康状態等で継続が難しくなることがあります。
また、保険会社が継続を認めても、更新型時の保険料負担がそれまでよりかなり大きくなりますので、継続が難しくなる可能性も極めて高くなります。従いまして、上記のようなお話しをすると、ほとんどのお客様は一生涯のもの、つまり終身型を選ぶ事になります。
最善の方法は・・・
前回お話しした「がん保険と普通入院保険は別々に加入する」というだけでは、実はまだ最善の解決策にはなりません。
「・・・困ってしまうがん保険」の大きな問題のひとつが、「1回しか診断給付金が出ないがん保険」にあるからです。
過去に加入されている終身のがん保険は、今より若い時分のものですから保険料が安いこともあり、無闇に解約することはお勧めできませんが、新規で「何回でも給付金が出るがん保険」に加入することと、既契約を継続することとのメリット、デメリットを充分に検討してみる価値は多いにあると思います。
また、その他の条件として、「上皮内がんでの給付条件」「通院の有無」「診断給付の条件(入院しなくても出るか否か)」「解約返戻金」などきちんと検証して、がん保険を選ぶ必要があります。
以下に終身型のがん保険の特徴をまとめます。
終身がん保険
終身がん保険 診断給付金100万円 入院日額10,000円 | | 東京海上日動あんしん | 三井住友海上きらめき | 日本興亜 (解約金あり) | 日本興亜 (解約金なし) | アフラック | 男性:月保険料 30歳 | 2,358 | 2,280 | 2,498 | | 2,613 | 35歳 | 2,757 | 2,590 | 2,880 | 1,780 | 3,029 | 40歳 | 3,250 | 2,980 | 3,354 | 2,210 | 3,535 | 45歳 | 3,855 | 3,430 | 3,920 | 2,760 | 4,150 | 50歳 | 4,612 | 4,020 | 4,658 | 3,470 | 4,865 | 55歳 | 5,481 | 4,670 | 5,442 | 4,240 | 5,757 | 60歳 | 6,456 | 5,420 | 6,352 | 5,100 | 6,723 | | | | | | | 複数の診断給付 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 診断給付の条件 | 診断のみ | 診断・入院 | 診断・入院 | 診断・入院 | 診断のみ | 上皮内がんの給付 | 100% | 100% | 100% | 100% | 10% | 通院日額 | @5,000 | × | × | × | A5,000 | 手術 | 10〜40万 | 10〜40万 | 10〜40万 | 10〜40万 | 20万 | B退院給付 | 10万 | 20万 | 10万 | 10万 | 15万 | 高度先進医療 | × | × | × | × | C6〜140万 | 在宅緩和ケア給付 | × | × | × | × | D10万 | 在宅緩和ケア日額 | × | × | × | × | E5000 | がん死亡保障 | × | × | 20万 | × | 10万 | 普通死亡保障 | × | × | 20万 | × | 5万 | 180日超入院割増 | 5,000 | × | × | × | × | - @5日以上入院後の通院
- A20日以上入院前後の通院
- B20日以上入院後の退院
- C厚労省認定のみ
- DE末期がん(余命6ヶ月以内)で在宅末期医療を開始した場合
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複数の診断給付がある東京海上日動あんしん生命と三井住友海上きらめき生命、そして日本興亜生命の3社と一番契約者が多いアフラックをピックアップしました。
複数の診断給付と上皮内がん100%給付という点では、ここでは、あんしん、きらめき、日本興亜の3社からの選択となりますが、診断給付の条件では「診断のみ」つまり入院しなくても給付されるのは、あんしんとアフラックとなります。
同じように、通院についてもあんしんとアフラックだけに付加されており、条件はアフラックのほうが緩やかです。 アフラックの特徴は、高度先進医療と末期がんの在宅ケアに対しての給付がある点です。
どれも一長一短という感じですが、お客様の反応としては、内容はあんしん生命、安さなら日本興亜の解約返戻金なしタイプに落ち着きます。
また、夫婦型はアフラックのみですが、第一被保険者(夫)が亡くなった際、第二被保険者(妻)の保障を継続するためには、保険料を今までと同じ金額、つまり亡くなった第一被保険者分も支払う必要があります。
まとめ
目先は安い更新型や夫婦型は、がん保険に限らず後々の負担を重く、継続が困難になる可能性があります。 がん保険といっても、商品的に各社微妙に違いがありますので、前回の構造的なことと含めて慎重に吟味する必要があります。
2006年4月
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