配当金ってどんなもの?
保険料は3つの予定利率をもとに算出していますが、実際には予定したとおりの死亡者数、運用利回り、事業費になるとは限りません。
予定と実際との差によって剰余金が生じた場合に、剰余金の還元として契約者に分配されるお金のことを配当金といいます。
配当金は予定率に基づいて計算された保険料の事後精算としての性格を持っています。
有配当の保険と無配当の保険
生命保険は大きく分けると、配当金の分配がある仕組みの「有配当の保険」と配当金の分配のない仕組みの「無配当の保険」に分類されます。
さらに、有配当の保険は一般的には「3利源配当タイプ」と「利差配当タイプ」に分かれます。
有配当の保険
■ 3利源配当タイプ
毎年の決算時に保険料算出のために用いる3つの予定率と実際の率との差によって生じる損益を集計し、剰余が生じた場合、配当金として分配する仕組みの保険です。
配当金を毎年分配する「毎年配当型」が主流となっています。
注:「3年ごと配当型」を取り扱う生命保険会社もあります。
■ 利差配当タイプ
予定利率と実際の運用成果との差によって生じる毎年の損益を一定年数ごとに通算して剰余が生じた場合、配当金として分配する仕組みの保険です。
5年ごとに通算して剰余が生じた場合、配当金として5年ごとに分配する仕組みの「5年ごと利差配当型」が主流となっています。
注:「3年ごと利差配当型」「毎年利差配当型」を取り扱う保険会社もあります。
※ 上記のほかに、個々の契約の剰余への貢献度に対してポイント換算し、ポイントを毎年累積し、5年ごとにその時点での累積ポイントに応じて配当金を支払う仕組みの保険を取り扱う生命保険会社もあります。
無配当の保険
配当の分配のない仕組みの保険です。
■ 配当金の受取方法は?
配当金の受取方法には、次のようなものがあります。
保険の種類によっては受取方法が決まっていて、選択できないケースもあります。
積立 |
配当金を保険会社に積み立てておく方法で、所定の利息がつきます。途中で引き出すこともできます。満期や死亡の場合には、保険金と一緒に受け取ります。 |
買増 |
配当金を一時払の保険料として保険を買い増しをしていく方法です。 |
相殺 |
配当金と保険料を相殺する方法です。
配当金の分だけ保険料負担が軽減します。 |
現金支払 |
配当金を現金で受け取る方法です。 |
■ 配当金で知っておくべきことは?
配当金には、基本的に通常配当と特別配当の2つがあります。
(1)通常配当 |
3利源配当タイプの「毎年配当型」では、通常、契約後3年目の契約応当日から毎年、利差配当タイプの「5年ごと利差配当型」では契約後6年目の契約応当日から5年ごとに分配される保険金です。 |
(2)特別配当 |
長期継続契約に対して支払われる配当金です。死亡や満期などにより保険契約が消滅するときなどに支払われます。 |
配当金は確定したものではなく、毎年の決算の結果によって変動するものです。
生命保険の保険料は、予定利率としてあらかじめ一定の収益を見込んで割り引かれていますので、実際の運用収益が予定を下回るなど剰余が生じなかった場合には、配当金がゼロになることがあります。
しかし、それは「約束した予定利率を上回って支払う配当金がゼロ」ということであり、「預貯金の利息がゼロ」ということとは意味が異なります。
また、分配される配当金は保険種類や契約内容によって異なります。
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配当がある保険が得で、配当がない保険は損ということはありません。配当がある保険はその分、保険料は割高になるものです。保険は配当を期待するのではなく、保障が目的であることを忘れてはいけません。
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配当金支払い基準 |
保険料設定 |
有配当保険 |
運用収益次第で
契約者に支払いあり |
保障+配当金 |
無配当保険 |
運用収益があがっても
還元なし |
保障 |
利差配当保険 |
余剰金がでたときのみ
支払いあり |
保障+わずか配当金 |
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2005.5.15記事 2007.7更新 |