社会保障制度の公的年金はいくらもらうことができるかを明確にしていくことが重要です。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成16年度)」によると、ゆとりある老後生活を送るには、月額37,9万円が必要と考えられています。
しかし実際は、以下の金額が現実の受給額と支払い保険料です。
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【サラリーマン夫婦の納める保険料】
年収の14.996%(平成19年度)
平成16年10月から毎年0.354%(本人0.177%、事業主0.177%)アップ。
平成19年度の保険料のうち、7.498%が会社員自己負担、残りの7.498%を勤務先の会社が支払います。
このことを「労使折半」といます。
専業主婦である妻の保険料はタダです。 |
【自営業夫婦の納める保険料】
14,140円(平成19年度)
平成16年4月から毎年280円ずつアップ。
平成29年以降は16,900円で固定されます。
自営業の妻は自分で毎月14,140円(平成19年度)の保険料を支払います。 |
受給資格期間が最低25年以上ある方で、しかも20歳から60歳まで40年間ずっと年金を納め続けた方の受給額です。
【サラリーマン夫婦の公的年金受給額】は、給与(ボーナスを含む)によって受け取る金額が増減しますが、【自営業夫婦の公的年金受給額】は、給与に関係なく、一律の保険料徴収制度となっているため、1人あたり月額約66,000円の支給額は同じです。
また、最低受給資格期間をクリアしても25年以上、40年間未満の継続の方は、受給額は上記の金額より減ります。
それでは、実際何歳からもらえるのでしょうか?
ベースとなる国民年金から支給される老齢基礎年金は、原則65歳からの支払いとなっています。
少し面倒なのは、厚生年金から支給される老齢厚生年金。
かつて、厚生年金は60歳から支給されるものでしたが、平成6年に仕組みが変更となり、厚生年金も65歳から支給されることになりました。
しかし、急に支給開始年齢が65歳に引き上げられてしまったら「60歳から年金をもらえる」とあてにしていた世代は困ってしまいます。
そこで、支給は段階的に65歳に引き上げられることになったのです。
この段階的な部分を「報酬比例部分」といい、給与(ボーナスを含む)と加入期間によって決まる部分のため、人それぞれ給付額は違っています。
大切なことは、厚生年金は満額受給できる年齢が段階的に引き上げられていることです。今後、厚生年金の受給開始年齢は、原則65歳となります。
男性であれば昭和36年4月2日以降生まれの方、女性であれば昭和41年4月2日以降の生まれの方は、65歳からしか年金が支給されないのは決定しています。
これからは、フリー・起業するなどのいろんな形の勤務形態となっていく時代です。
そのときは、ベースとなる国民年金の支給額は満額(40年加入)で月約66,000円ということを頭にいれて、老後生活資金について考えていくことが重要です。
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年金の支給が65歳に引き上げられるということは、公的年金制度が成立したときには、予想されなかったことでした。
年金支給は、経済全体総賃金(労働者一人当たりの平均賃金×労働人口)の伸び率にあわせて給付額を調整していくため、少子高齢化の問題は影響力大です。
年金の支給が将来70歳に引き上げられることも予想できます。
でも多くの企業の「定年退職年齢」は60歳。
退職後5年間の生活費だけではなく、10年間の生活費を自助努力で用意することが求められる日も将来近いということを考慮しながら、準備しなければなりません。
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2004.10.17記事 2007.7更新 |