(主契約はなし、特約は「災害割増特約」・「傷害特約」)
一般的な解説
(生命保険文化センター 「2001年11月 生命保険いろはにほんと」より)
●災害割増特約
不慮の事故または特定感染症で死亡したとき、主契約の死亡保険金に上乗せして災害死亡保険金が受け取れます。
●傷害特約
不慮の事故または特定感染症で死亡したとき、主契約の死亡保険金に上乗せして災害死亡保険金が受け取れます。
また、不慮の事故で所定の障害状態になったときは、障害の程度に応じて障害給付金が受け取れます。
※特定感染症で高度障害状態になったときは、給付されません。
注意! 特約付加には条件や制約があるので注意しましょう。
- 特約の付加条件は生命保険会社によって異なり、主契約や特約の
種類によっては付加できない場合もあります。
- 付加できる特約の保険金額・給付金額は生命保険会社によって異なり、
最低取扱金額や主契約の保険金額による制約などを受けます。
- 特約での保険期間は、通常、主契約の保険期間や保険料払込期間と
同じとなっています。
災害割増特約は、被保険者が不慮の事故または感染症予防・医療法に定める1〜3類感染症によって死亡または所定の高度障害状態になった場合に災害保険金を支払う保障。
傷害特約は、被保険者が不慮の事故または感染症予防・医療法に定める1〜3類感染症によって死亡または所定の高度障害状態になった場合に災害保険金を支払い、また不慮の事故によって身体に障害を受けた場合には所定の障害給付金を支払う保障。
死亡保障に加入する場合は、すべての死因について同じ程度の危機感を抱くわけではありません。
ある特定の死因に対しては大きく、また逆に別の死因に対しては小さく感じます。
特に健康に自信のある方ほど、病死に対する危険よりも災害死に対する危険の方を大きく感じる傾向があります。
もちろん、実際には病気死亡のリスクは災害死亡のリスクよりも大きく、全死因に占めるシェアが災害死亡は小さいので、特約の保険料も割安です。
そのため、職業上や環境上の逆選択の可能性もあるので注意が必要です。
対象となる不慮の事故については、約款上に明確に規定していますが、事故発生後一定期間(現行の約款では一般的に180日以内)の間に死亡、障害が発生した場合に限り保障の対象になっています。
また、一般の病死と比較して災害死の確率は安定していないので、危険をともなう職種、競技選手など災害事故に遭う可能性の高い契約については付加する金額を制限するなどの取り決めがなされています。
災害保障の対象となる不慮の事故は表1、障害給付の割合については表2によります。
表1:対象となる不慮の事故
対象となる不慮の事故とは急激かつ偶発的な外来の事故(ただし、疾病または体質的な要因を有する者が軽微な外因により発症しまたはその症状が増悪したときには、その軽微な外因は急激かつ偶発的な外来の事故とみなしません。)で、かつ、昭和53年(1978年)12月15日行政管理庁告示第73号に定められた分類項目中下記のものとし、分類項目の内容については、「厚生省大臣官房統計情報部編、疾病、障害および死因統計分類提要、昭和54年版」によるものとします。
分類項目 |
基本分類表番号 |
1. |
鉄道事故 |
E800〜E807 |
2. |
自動車交通事故 |
E810〜E819 |
3. |
自動車非交通事故 |
E820〜E825 |
4. |
その他の道路交通機関事故 |
E826〜E829 |
5. |
水上交通機関事故 |
E830〜E838 |
6. |
航空機および宇宙交通機関事故 |
E840〜E845 |
7. |
他に分類されない交通機関事故 |
E846〜E848 |
8. |
医薬品および生物学的製剤による不慮の中毒
ただし、外用薬または薬物接触によるアレルギー、皮膚炎などは含まれません。また、疾病の診断、治療を目的としたものは除外します。 |
E850〜E858 |
9. |
その他の固体、液体、ガスおよび蒸気による不慮の中毒
ただし、洗剤およびグリース、溶剤その他の化学物質による接触皮膚炎ならびにサルモネラ性食中毒、細菌性食中毒(ブドー球菌性、ボツリヌス菌性、その他および詳細不明の細菌性食中毒)およびアレルギー性・食餌性・中毒性の胃腸炎、大腸炎は含まれません。 |
E860〜E869 |
10. |
外科的および内科的診療上の患者事故
ただし、疾病の診断、治療を目的としたものは除外します。 |
E870〜E876 |
11. |
患者の異常反応あるいは後発合併症を生じた外科的および内科的処置で処置時事故の記載のないもの
だたし、疾病の診断、治療を目的としたものは除外します。
|
E878〜E879 |
12. |
不慮の墜落 |
E880〜E888 |
13. |
火災および火焔による不慮の事故 |
E890〜E899 |
14. |
自然および環境要因による不慮の事故
ただし、「過度の高温(E900)中の気象条件によるもの」、「高圧、低圧および気圧の変化(E902)」「旅行および身体動揺(E903)」および「飢餓、渇、不良環境曝露および放置(E904)中の飢餓、渇」は除外します。 |
E900〜E909 |
15. |
溺水、窒息および異物による不慮の事故
ただし、疾病による呼吸障害、嚥下障害、精神神経障害の状態にある者の「食物の吸入または嚥下による気道閉塞または窒息(E911」、「その他の物体の吸入または嚥下による気道の閉塞または窒息(E912」は除外します。 |
E910〜E915 |
16. |
その他の不慮の事故
ただし、「努力過度および激しい運動(E927)中の過度の肉体行使、レクリエーション、その他の活動における過度の運動」および「その他および詳細不明の環境的原因および不慮の事故(E928)中の無重力環境への長期滞在、騒音暴露、振動」は除外します。 |
E916〜E928 |
17. |
医薬品および生物学的製剤の治療上使用による有害作用
ただし、外用薬または薬物接触によるアレルギー、皮膚炎などは含まれません。また、疾病の診断、治療を目的としたものは除外します。 |
E930〜E949 |
18. |
他殺および他人の加害による損傷 |
E960〜E969 |
19. |
法的介入
ただし、「処刑(E978)」は除外します。 |
E970〜E978 |
20. |
戦争行為による損傷 |
E990〜E999 |
表2:障害給付割合表
等級 |
身体障害 |
給付割合 |
第
1
級 |
1. |
両眼の視力を全く永久に失ったもの |
100% |
2. |
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの |
3. |
中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの |
4. |
両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
5. |
両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
6. |
1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
7. |
1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの |
第
2
級 |
8. |
1上肢および 1下肢の用を全く永久に失ったもの |
70% |
9. |
10手指を失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
10. |
1肢に第3級の13から15までのいずれかの身体障害を生じ、かつ、他の1肢に第3級の13から15までまたは第4級の21から25までのいずれかの身体障害を生じたもの |
11. |
両耳の聴力を全く永久に失ったもの |
第
3
級 |
12. |
1眼の視力を全く永久に失ったもの |
50% |
13. |
1上肢を手関節以上で失ったかまたは1上肢の用もしくは1上肢の3大関節中の2関節の用を全く永久に失ったもの |
14. |
1下肢を足関節以上で失ったかまたは1下肢の用もしくは1下肢の3大関節中の2関節の用を全く永久に失ったもの |
15. |
1手の5手指を失ったかまたは第1指(母指)および第2指(示指)を含んで4手指を失ったもの |
16. |
10足指を失ったもの |
17. |
脊柱に著しい奇形または運動障害を永久に残すもの |
第
4
級 |
18. |
両眼の視力にそれぞれ著しい障害を永久に残すもの |
30% |
19. |
言語またはそしゃくの機能に著しい障害を永久に残すもの |
20. |
中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に日常生活動作が著しく制限されるもの |
21. |
1上肢の3大関節中の1関節の用を全く永久に失ったもの |
22. |
1下肢の3大関節中の1関節の用を全く永久に失ったもの |
23. |
1下肢が永久に5センチ以上短縮したもの |
24. |
1手の第1指(母指)および第2指(示指)を失ったかまたは第1指(母指)および第2指(示指)のうち少なくとも1手指を含んで3手指以上の用を全く永久に失ったもの |
25. |
1手の5手指の用を全く永久に失ったかまたは第1指(母指)および第2指(示指)を含んで3手指以上の用を全く永久に失ったもの |
26. |
10足指の用を全く永久に失ったもの |
27. |
1足の5足指を失ったもの |
第
5
級 |
28. |
1上肢の3大関節中の2関節の機能に著しい障害を永久に残すもの |
15% |
29. |
1下肢の3大関節中の2関節の機能に著しい障害を永久に残すもの |
30. |
1手の第1指(母指)もしくは第2指(示指)を失ったか、第1指(母指)もしくは第2指(示指)を含んで2手指を失ったかまたは第1指(母指)および第2指(示指)以外の3手指を失ったもの |
31. |
1手の第1指(母指)および第2指(示指)の用を全く永久に失ったもの |
32. |
1足の5足指の用を全く永久に失ったもの |
33. |
両耳の聴力に著しい障害を永久に残すもの |
34. |
1耳の聴力を全く永久に失ったもの |
35. |
鼻を欠損し、かつ、その機能に著しい障害を永久に残すもの |
36. |
脊柱(顎椎を除く)に運動障害を永久に残すもの |
第
6
級 |
37. |
1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を永久に残すもの |
10% |
38. |
1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を永久に残すもの |
39. |
1下肢が永久に3センチ以上短縮したもの |
40. |
1手の第1指(母指)もしくは第2指(示指)の用を全く永久に失ったか、第1指(母指)もしくは第2指(示指)を含んで2手指以上の用を永久に失ったかまたは第1指(母指)および第2指(示指)以外の2手指もしくは3手指の用を全く永久に失ったもの |
41. |
1手の第1指(母指)および第2指(示指)以外の1手指または2手指を失ったもの |
42. |
1足の第1指(母指)または他の4足指を失ったもの |
43. |
1足の第1指(母指)を含んで3足指以上の用を全く永久に失ったもの |
あなたはどのタイプ?
■割安な保険料で必要保障額を増額したいタイプ
移動(飛行機や船、新幹線など)が多い職業の方は、確率論的に災害に合う可能性が高いです。少しの保険料のプラスで、病気による死亡保障より多くの保険金額が用意したいと思っている方にはおすすめです。
終身保険や貯蓄性のある定期保険に、このような特約を付加する場合は、災害死亡時の保険金額は高くなりますが、特約部分は掛け捨てのため、貯蓄性が低くなりますので注意しましょう。
2005.9.18記事 2007.7更新 |