(主契約は「変額個人年金保険」、特約はなし)
* 年金保険には、「定額」と「変額」があります。
一般的な解説
(生命保険文化センター 「2001年11月 生命保険いろはにほんと」より)
株式や債券を中心に資産を運用し、その運用の実績によって年金や解約返戻金などが増減するハイリスク・ハイリターン型の個人年金保険です。
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年金額が年金受取開始後一定のタイプと、受取開始後も運用実績に
よって年金額が増減するタイプがあります。
- 年金受取期間は、多くは保証期間付終身保険と確定年金ですが、
保証期間付有期年金もあります。
- 資産運用の実績によって年金原資 注) は変動し、払込保険料の総額を
上回る場合もあれば、下回る場合もあります。
- 多くは年金の最低保証はありませんが、最低保証のあるものもあります。
- 年金受取開始前に被保険者が死亡した場合に受け取る死亡給付金に
ついては、多くは最低保証がありますが、最低保証のないものもあります。
- 解約返戻金には最低保証はありません。
注) 将来の年金支払いのために積み立てられる金額
変額個人年金保険とは、老後の生活資金準備を目的とするもので、運用実績に基づいて受け取る年金や解約返戻金が増減する保険。
「死亡保障のついた投資信託」ともいわれ、一般に投資信託のような運用商品でありながら、万が一の場合には死亡保険金として元本が最低保証されている商品です。
年金額は最低保証がないので、運用実績により、基本年金額を上回る場合もあれば下回る場合もあります。解約返戻金に最低保証はありません。
変額個人年金保険は、一時払いで50万円〜100万円以上を支払って加入するケースが多いです。
2002年から銀行での年金保険の窓口販売(一般的に窓販と言われています)が解禁されて以来、年金保険は保険会社だけでなく、証券会社、銀行でも加入できるようになりました。
引受保険会社が同じ年金保険でも、窓口によって扱う商品が異なっているため、いろんなタイプの年金保険が販売されています。
変額個人年金保険は、変額年金ファンドの中の投資信託を加入者が選択し、保険料を一時払いなどで10年以上据え置き、希望する年齢から年金の受給をスタートする仕組です。
これまでの個人年金と異なり、リスクもリターンもすべて加入者の自己責任ということが大きな特徴です。
つまり、年金といっても将来の年金額が保証されているわけではありません。米国では証券と位置づけられて、証券諸法の適用対象となっていますが、日本では保険に分類されていて、証券取引法の適用対象とはなっていません。
変額個人年金の3つの機能について確認してみましょう。
■ふやす
将来受け取る年金「額」が運用次第で「変」動するので、「変」「額」個人年金といわれています。
保険料は、保険会社の中でほかの保険商品と別の「特別勘定」で運用されます。
運用成績がよければ、契約時の予定を上回る年金額を受け取ることができます。反対にうまくいかなかったときには、年金額は減ります。
つまり、元本割れすることもあります。
運用は、自己責任において、ファンドの入れ替え(これをスイッチングといいます)を自由にすることができます。 例えば、年間15回までのスイッチングであれば、手数料が掛からないなど、商品によって手数料が異なります。
■つかう
変額個人年金からお金を引き出す方法は、主に4つです。
1)途中解約
加入してから7年〜10年以内に解約する場合には、元本や資産残高に対して手数料が掛かります。
この手数料を「解約控除」といいます。
2)貸付
運用期間中は、保険会社から貸付が受けられるものもあります。
ただし、貸付を受けている間は、その金額相当分は運用ができなくなります。貸付は資産残高の50%などに制限されます。
3)一括受取
運用期間が終了した後、年金で受け取る代わりに、年金原資を一括で受け取ることができます。
4)年金受取
5年・10年と一定期間に定められている「確定年金」と、公的年金と同様に終身にわたり年金が支払われる「終身年金」があります。
また、夫婦のいずれかが生きている限り受け取ることができる「夫婦年金」や、所定の要介護状態となった場合に年金額が増える「介護年金」なども選択できる商品もあります。
■ のこす
運用期間中、万が一亡くなった場合は、死亡保険金が支払われます。
死亡保険金は、積立残高、もしくは元本のいずれか大きい金額が支払われるのが一般的です。
つまり、死亡保険金は元本保証ということです。
さらに運用の成果によって、最低保証額がアップするものもあります。
これを「ステップアップ死亡保障」といいます。
また、一般に交通事故など災害死亡の場合は、一定の割増保険金が支払われます。
個人年金は、契約時の年金額が保証されるため、老後の生活費の補填を目的とした加入となりますが、変額個人年金は、運用次第で年金額が増減するため、運用メリットや相続税対策を目的とした加入となります。
つまり、死亡保障としての役割や、相続税対策を考慮しない方であれば、手数料がより低い投資信託で運用するほうが賢い選択となります。
資産の運用方法(運用資産の種類や評価方法、資産の運用方針)や、商品の仕組み(資産の運用実績によって将来受け取る保険金などの額がどのように変動するのか等)について、わからない点は説明を求め、納得したうえで契約しましょう。
あなたはどのタイプ?
■老後資金はある程度用意できているという人
将来受け取る年金額が元本割れする可能性があるのが、変額個人年金。
特にこのお金が元本割れしても、他の金融資産で十分に老後資金が調達できている人にはおすすめです。
投資信託や株・不動産もすでに着手をしていて、一つのポートフォリオとして変額個人年金を活用できる方にはぴったりですね。
■死亡保障に加入していない人
万が一亡くなったとき、預金や株・投資信託のみで資産を運用している場合で、相続の問題が発生したときは、なかなか現金化することができません。
また、相続税の対象になります。
変額個人年金は、死亡保障も兼ねていますので、万が一亡くなったときは、相続税の問題が解決しなくても、保険会社に請求すれば、すぐに死亡保険金が支払われ、当面の生活費として活用することができます。
資産運用というだけでなく、死亡保険の役割をうまく活かしたいという方にはおすすめです。
2004.12.19記事 2007.7更新 |